毎秒100京回の演算ができる最強スパコン。目的は核開発支援
処理能力は旧バージョンの20倍以上
El Capitanは、NNSAの旧バージョンである「Sierra(シエラ)」と比較して20倍以上の処理能力があるといいます。Sierraだったら数カ月かかっていたはずの高解像度の3Dシミュレーションを、数時間から数日で実行できるそうです。処理能力は最大で2.79エクサフロップ(毎秒279京回の浮動小数点演算)に達する可能性もあるとのこと。 これまで最強スパコンだったオークリッジ国立研究所のFrontier(フロンティア)の演算能力は、1.353エクサフロップ(毎秒135京3000億回の浮動小数点演算が可能)でした。3番目に強力なスパコンになった、イリノイ州のArgonne Leadership Computing FacilityにあるAurora(オーロラ)は、1.012エクサフロップの演算能力を持っています。いずれもメーカーはHPEです。 El Capitanの消費電力1Wあたりの処理能力は58.89ギガフロップで、2022年に導入されたFrontierの62.68ギガフロップよりもエネルギー効率で劣りますが、Auroraの26.15ギガフロップよりも効率的です。 HPの高性能コンピューティング担当役員であるトリッシュ・ダムクローガー氏は、声明で次のように述べています。 El Capitanは、エクサスケール・スーパーコンピューター分野が新たな節目を迎えたことを示しています。画期的なパフォーマンスとエネルギー効率、AI主導によって科学的発見を加速させることで国家安全保障を強化し、再生可能エネルギーに新たな機会を切り開くための驚異的なブレークスルーをもたらします。 庶民の訳者は、El Capitanが消費する1カ月あたりの電力と電気代が気になります。
Kenji P. Miyajima