そもそも、パナマ運河とは? 誰が管理? 年1万隻が通る海上の要衝
パナマ運河は、南北アメリカ大陸をつなぐパナマ地峡に位置する。太平洋と、大西洋につながるカリブ海を結ぶ全長約80キロの水門式の運河だ。 大回りして南米のマゼラン海峡やドレーク海峡を航行することなく二つの大洋を行き来できることから、航行する船舶は大幅に時間を短縮でき、安全性も向上する。エジプトのスエズ運河と並び、海上交通の世界的な要衝だ。 パナマ運河は、フランス企業が1881年に着工したが、その後、米国が建設を引き継ぐ形となった。 パナマは1903年に米国の支援を受けてコロンビアから独立。運河は、そのパナマと条約を結んで運河一帯の永久租借権などを獲得した米国が14年に開通させ、管理した。 やがてパナマ国内で不満が高まり、50年代以降は運河の国有化を求める動きが高まった。77年に就任したカーター米大統領は、パナマのトリホス将軍との間で返還に向けた二つの新条約に署名。これに基づき、運河の管理権は99年に完全にパナマへ移譲された。 現在はパナマ運河庁が管理しており、年間1万隻超の船舶が運河を通過している。【ワシントン西田進一郎】