「賭けをする必要はなかった」 角田裕毅のオランダGPでの戦略に現地メディアが疑問…一方で彼のパフォーマンスについて「レッドブルが求めるものではない」
F1第15戦のオランダ・グランプリ、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は17位フィニッシュで、今季8度目の入賞はならなかった。 【動画】Q1トップ通過を果たしたのは意外にも...角田裕毅は12番手でQ2へ 初日はフリー走行(FP)2回目で7番手に入る好パフォーマンスを発揮し、予選ではQ3進出は逃すも、他車の降格ペナルティーで11番グリッドをゲットと、十分にポイント獲得の可能性を残していたが、決勝では序盤でポジションをふたつ落とすと、2ストップの戦略も奏功せず、ほとんど見せ場を作れないまま71周(周回遅れ)のレースを終えることとなった。 角田が「スタート順位よりかなり後ろでレースを終えたのは非常に悔しい」と語れば、RBのテクニカルディレクターであるジョディ・エッギントンは「戦略が思い通りにいかず、レースを難しくしてしまった」と反省の弁を述べており、日曜日に関しては全てが上手くいかなかったという印象である。 結果的に失意の週末を送ることとなった角田に対する各国専門メディアの評価を見ると、英国のF1専門サイト『PLANETF1.COM』は10点満点の採点で及第点を上回る「6.5」を与えたが、寸評は「RBは角田に戦略面であまり良い条件を提供できなかった。日本人ドライバーは厳しい状況に置かれ、車は十分なペースを持っていなかった。彼は全力を尽くしたが、それでも好結果を残すには到底足りなかった」と終始、ネガティブな内容となった。 同国のモータースポーツ専門サイト『CRASH』はさらに高い「7」とし、「印象的な予選の後、角田のレースは2回のピットストップ戦略に切り替えたことで計画通りには進まなかった。そして『VCARB01』には今週末、ポイントを獲得するだけのペースがなかった」と、ドライビング以外の問題が大きかったことを指摘している。
「明らかにオーバーテイクが可能だったにもかかわらず」
対して、『RACEFANS』は「5」と厳しく、「予選での安定したパフォーマンスは、決勝でのポイント獲得を期待させたが、ソフトタイヤを履いていたにもかかわらず、あまり良くないスタートを切ったことで、2ストップ戦略によるベストなレース展開を阻んだ。明らかにオーバーテイクが可能だったにもかかわらず、あれだけ長く後方での走行を強いられ、さらには前を走るローガン・サージェント(ウィリアムズ)を抜けなかったのは、少し残念だった」と綴った。 一方、『MOTORSPORT WEEK』は「土曜日はチームメイトのダニエル・リカルドを上回る予選パフォーマンスを見せ、他車の不運もあって11番グリッドを手にした。その位置からであれば、上手く戦略を実行することでポイントを獲得するチャンスもあったが、そうはならず。RBの奇妙な判断で2ストップ戦略に切り替えられたことにより、角田はトラフィックの後方に下がり、そこから回復することができなかった」と彼のレースを振り返り、採点は 「6.5」を付与している。 『TOTAL MOTORSPORT』は「5.5」止まりで、「ソフトタイヤでスタートしたレースは、上手くいかなかった。リカルド(ミディアムタイヤでのスタートで1ストップ/13番グリッドから12位フィニッシュ)が順位を上げたことを考えると、そもそもその賭けをする必要はなかったのかもしれない。今後、角田は再び良い結果を残せることだろう」と、戦略面に疑問を呈した。 続いてオランダのF1専門サイト『RN365』は、今回紹介した中では最低点となる「3」を与え、寸評では「一体何が起こったのだろう? チームメイトは13番手スタートで12位フィニッシュという、静かで記憶に残らない午後を過ごしたが、これはつまり、RBには一定の持久力があったということだ」という出だしから、以下のように続けている。 「しかし角田は11番グリッドから17位まで順位を落とし、オランダでの最大の敗者となった。2ストップ戦略は効果が限定されたため、RBも責任の一端を負うべきかもしないが、この状況でも少なくとも1、2ポイントは獲得できるような、日本人ドライバーの粘り強いパフォーマンスを見ることに、我々は慣れてしまっているのかもしれない」
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