JALと慶應大、成田空港で初の地震防災合同演習 12月実施
成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)、日本航空(JAL/JL、9201)、慶應義塾大学の3者は11月22日、成田空港第2ターミナルで地震防災演習を12月6日に合同で実施すると発表した。3者が連携して地震防災演習を行うのは初めて。 【画像】成田空港の新ターミナル構想 今回の演習は、震度6強を観測する大規模地震が発生したとの想定で実施。空港の従業員が、初動対応や利用者の避難誘導、被害状況の確認、迅速な情報共有などを、共通認識を持ってできるようにするのが狙い。 演習の内容は、慶大環境情報学部の大木聖子准教授が監修。地震学や防災教育の知見を基にシナリオを作成し、従業員には事前に内容を知らせずに実施する。演習エリア内には、外国人観光客やけが人など、さまざまな利用者役を配置し、従業員がその場で考えて行動する実践的な内容にする。 成田空港では、年に3回、消防訓練2回と防災訓練1回を実施し、利用者の避難誘導などを通じて災害対応力を強化してきた。今回の演習は、参加者が状況を判断し、自ら行動する応用訓練として位置づけた。 演習には、JALグループ社員を含む空港従業員約60人と、利用者役などで大木研究会の学生約40人が参加予定。演習の様子は映像と音声を記録し、大木准教授らが分析して課題や改善点を整理し、より実効性の高い防災計画の策定につなげる。また、得られた知見を生かし、2025年度中に2回目の防災演習を計画している。
Tadayuki YOSHIKAWA