半導体人材育成へ、台湾・明新科技大学と連携 単位交換型の教育プログラム開始 福岡工業大
福岡工業大学(福岡市東区)は28日、半導体関連のエンジニア育成のため、半導体学部を持つ台湾・明新科技大学と連携し、単位交換型の協働教育プログラムを本年度から開始したと発表した。 【関連写真】福工大が交換プログラムで学生を送る台湾・明新科技大学 半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の熊本進出や、半導体後工程最大手、日月光投資控股(ASE)の北九州市への工場建設計画など、九州で半導体を巡る企業進出が相次いでいることから、両大学は台湾企業でのインターンシップなどを通じ、実践的かつ質の高い教育プログラムを学生に提供。半導体メーカーや関連企業でグローバルに活躍できる人材の育成を図る。 福工大の学生は1~3年次に半導体の基礎知識や、台湾での学修に備えた語学の修得を行う。4年次に通常履修する「卒業研究」と明新科技大での1年間の学修を交換。明新科技大の先進的な半導体教育施設で製造理論を学び、実習を行うとともに台湾の半導体企業でのインターンシップに参加。半導体製造にかかわるエンジニアのライセンス「半導体検測工程鑑定士」の試験にも挑む。 明新科技大は、半導体関連企業が入居する台湾北部の「新竹サイエンスパーク」の近くにあり、2021年に台湾初の半導体学部を設けた。半導体の製造工程で後工程と呼ばれる組み立てや試験・検査に特化した人材を育てており、政府や企業の支援を受け、企業が使う製造ラインを学内に備えるなど半導体に特化した人材育成を行っている。 福工大は、8月に工学部電子情報工学科の2年生8人を明新科技大に短期留学させた。早ければ26年度から台湾での1年間の留学プログラムを始めたいとし、「半導体の専門知識を持った人材への国内外からの需要増にいち早く対応したい」としている。
電波新聞社 報道本部