ベネズエラ野党指導者一時的に拘束、大統領就任前日に抗議デモ広がる
(CNN) 南米ベネズエラで9日、大統領の就任を翌日に控えて大規模な抗議デモが行われた。野党指導者マリア・コリナ・マチャド氏の陣営は、マチャド氏が首都カラカスでの抗議デモで「暴力的な妨害」を受けたと発表。その後同氏は解放されたとしている。 【写真】ベネズエラ国旗を振るデモ参加者 マチャド氏の政治団体はXへの投稿で、マチャド氏について「拉致されている間に数本の動画の撮影を強要され、その後釈放された」としている。 10日に予定されるニコラス・マドゥロ大統領の3期目就任を前に、ベネズエラでは弾圧への不安が強まっている。 しかしベネズエラ政府はマチャド氏の拘束を否定した。 政府は昨年の大統領選挙後、野党に対する弾圧を強めており、マチャド氏が公の場に姿を見せるのは数カ月ぶりだった。同氏は9日、集会に臨む自身の動画をXに投稿し、「私はここにいる」と宣言した。 首都カラカスでは9日、野党支持者の集会が徐々に膨れ上がり、集まった参加者は旗を掲げて自由を要求した。「ゴンサレス大統領(大統領選の野党統一候補だったエドムンド・ゴンサレス氏)」の横断幕を掲げてブブゼラを吹き鳴らす参加者もいた。 一方、ベネズエラ最大のスラム街ペタレでは、マドゥロ大統領支持者が「平和と喜びの行進」に集まった。 昨年7月の大統領選挙では選管当局がマドゥロ氏の勝利を発表。しかしマチャド氏率いる野党勢力は、自分たちの擁立したゴンサレス氏が得率67%で勝利したと主張していた。 独立監視機関やCNNの独自分析でも、野党の集計が正しかったことを確認している。 ゴンザレス氏はドミニカ共和国の首都サントドミンゴで、「我々ベネズエラ国民はすぐに自由を取り戻す」と演説した。