“ホールケーキ500円”に秘められた瀬山和子さんの「心意気」物価高ものかは!札幌市
さらに、この店独自の材料もー (瀬山和子さん)「寒天です。(本来使うのは)ナパージュっていうんですけど、(この店では)寒天でつくっている」 一般的な店では、ケーキのツヤを出すために「ナパージュ」というゼリー素材を使いますが、瀬山さんはより安い寒天で代用。
一方、タルトにはジャムやカスタード、そして値段が高騰している生クリームがたっぷりと塗られます。 全て自家製にすることで値段を抑えています。 ここまで安くするのはなぜなのでしょうか。 (瀬山和子さん)「やっぱりお客さんの懐具合が豊かでなければ、こちらもそれに沿って値段を決めていかなくちゃいけない。ケーキの原料の値段が高いから(ケーキの値段を)上げていくことはナンセンスだと思いますね」
障害あるスタッフも…作り手にも寄り添う職場
おいしさをそのままに、いかに手ごろなケーキを提供できるかー 瀬山さんはお客さんの立場を考えるだけでなく、共に働くスタッフにも静かに寄り添います。 これには深いワケが…。
工場の中をよく見ると…手話で会話するスタッフの姿がー 80歳の但野さん、耳は聞こえません。 他にもさまざまな障がいのある人が働いています。
心臓にペースメーカーを入れている國谷さんは、耳が聞こえない人と会話するため、自ら手話を覚えたといいます。 (國谷弥生さん)「YouTubeとかですね、あとは手話サークルに行ったりだとか」 その手話で、記者と但野さんをつなげてくれました。 (吉岡記者)「但野さんは80歳と聞きました。ものすごく元気ですね」 (國谷弥生さん)「ありがとうって言ってます」 (吉岡記者)「ここで働いていてどうですか?」 (國谷弥生さん)「いいと思います、(手話で)話が通じるので。通じるので安心できます」 瀬山さんは、それぞれの障がいに合わせて仕事内容を調整しながら、温かく見守っていたのです。
瀬山さんの会社は元々、花の栽培やアレンジを手掛けていました。 (瀬山和子さん)「材料を整えるのに1人でやっていたものですから、そこに障がい者のお母さんが来られて、うちの娘を使ってくれないかと」 それをきっかけに障がいのあるスタッフを受け入れはじめ、今では170人以上が助け合って働いています。