学校に塾に多忙な小学校高学年が質の良い睡眠をとるための生活リズム。食事、お風呂のタイミングと決めておきたいスマホルール
塾帰りにコンビニはNG
塾帰りに「甘いものを買いたい!」と子どもとコンビニに行くこともあるでしょう。でも、帰宅後にコンビニに行くのはなるべく避けてほしいのです。 夜間に明るい光を浴びるとメラトニンの分泌が抑制されてしまいます。 コンビニは照明が煌々と照っていて明るいので、その強い光が眠気を遠のかせてしまいます。 同じように自動販売機やスーパーマーケットなどもかなり明るいので、なるべく避ける方が良いでしょう。
親子で決めよう!スマホのルール
テレビを見る時間がない受験生の子どもたちは、自宅までの移動時などスキマ時間でゲームや動画コンテンツ、またSNSを楽しむこともあるはずです。 ただ、電子機器から発せられるブルーライトは脳の強い覚醒を引き起こし、刺激的なゲームやコンテンツは脳を活性化させてしまいます。 さらには視聴をやめられなくなりこっそりベッドの中でスマホを見て、睡眠時間を削っているということもあるでしょう。 現代においてスマホは睡眠を阻害する一番の要因と言っても過言ではありません。 特に子どもにとっては楽しい情報が次々と出てくるので、やめることは難しいはず。 だからこそスマホ使用のルールを決め、その悪影響も伝えてほしいと思います。 「毎日頑張っている勉強を定着させるためにも、そして健康な体を維持するためにもしっかり睡眠をとってほしい。だからスマホの利用ルールを一緒に決めよう」と親の気持ちを伝えつつ、子どもの意見を尊重しながら話し合ってみてください。
視聴するコンテンツにも注意
ルール決めの際に気をつけたいのが視聴時間と場所、そしてコンテンツの内容。 本来であれば就寝時間の2時間前にはスマホを見るのをやめてほしいですが、そうなると塾から帰宅したタイミングではスマホ利用の時間を設けることができません。 それではスマホを取り上げられたのと一緒で、子どももストレスがたまるはず。 例えば「車で移動中の15分」「帰宅後の食事を準備する間の15分」など自室での利用はやめて、親の目の届くところでなるべく就寝時間直前ではないタイミングで時間を決めて利用の許可をするのがよいでしょう。 また、視聴するコンテンツにも注意が必要でしょう。ショート動画など次々と新しい内容が出てくるものや、刺激的なゲームは脳を興奮状態にさせてしまいます。 SNSなどコミュニケーションをするものも、お友達の言葉や反応が気になってしまい眠れなくなることがあります。 どうしても見るのであれば刺激が少なく、悩みの種にならない情報が発信されるコンテンツを時間内で見るのがいかがでしょう。 スマホ使用はすべてNGではなく、睡眠を妨害しない程度に子どもの息抜きツールとして賢く使いましょう。 著:愛波あや 慶応義塾大学文学部教育学専攻卒業。外資系企業勤務後、拠点をアメリカ・ニューヨークに移し、2014年に米国IPHI公認資格(国際認定資格)を日本人で初めて取得。現在、IPHI日本代表、Sleeping Smart Japan株式会社代表取締役。著書に『ママと赤ちゃんのぐっすり本』(講談社)、『マンガで読む ぐっすり眠る赤ちゃんの寝かせ方』(主婦の友社)がある。2児の母 監修:三池輝久 小児科医、小児神経科医。熊本大学病院長、日本小児神経学会理事長、兵庫県立リハビリテーション中央病院「子どものリハビリテーション睡眠・発達医療センター」センター長などを経て、現在は熊本大学名誉教授、日本眠育推進協議会理事長。著書に『赤ちゃんと体内時間 胎児期から始まる生活習慣病』『子どもの夜ふかし 脳への脅威』(ともに集英社)など
愛波あや