ブラックロック、MMF投資型の新しいETF追求-ファンド認可申請
(ブルームバーグ): 米資産運用会社ブラックロックが、マネー・マーケット・ファンド(MMF)投資家をターゲットにした上場投資信託(ETF)の早期導入を目指している。同社はETF普及を後押しした経緯がある
米証券取引委員会(SEC)への提出資料によると、ブラックロックは「iシェアーズ・ガバメント・マネー・マーケットETF」と「iシェアーズ・プライム・マネー・マーケットETF」の2本の新ファンドについて認可を申請中だ。
同社のファンドが投入されれば、9月に始まった試験的な動きが大きく拡大することになる。同月にはテキサス・キャピタル・ガバメント・マネー・マーケットETFが従来のMMFを対象とする初のETFとして登場した。ブルームバーグ集計データによると、このファンドは今でもこの分野で唯一のETFで、運用資産は約4300万ドル(約66億円)。一方、米MMF総資産は過去最高の6兆6000億ドルに達している。
ETFは着実に証券ビジネスのかなりの部分を占めるようになってきた。迅速に資金を移動しやすいため、個人投資家を引き付けることなどが一因。ただ、MMF投資型ETFではそうした流動性は従来のMMFが提供するプロテクションを犠牲にして提供される。ETFはこうしたMMFとは異なり、安定的NAV(純資産総額)を1ドルに維持する必要がないため、投資家は多少の下振れリスクにさらされると考えられる。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は「安定的NAVをマネー・マーケットに期待している人には、これらは適さない」と語る。
主に従来の貯蓄口座より高い利回りを安全に得る方法を探しているマネー・マーケットの投資家に、ETFの魅力が通用するかどうかはまだ分からない。テキサス・キャピタルはETF設定時、ETFの流動性向上によって日中を通した売買が可能になることに機関投資家は魅力を感じるだろうと指摘していた。