【米男子ツアー】桂川有人が9バーディー2ボギーで16位タイに浮上 「ショットも悪くてミスも多いなか自信に」
「ジュニアの時のような感覚、自分のままで自然に」
◆米国男子プロゴルフ ZOZOチャンピオンシップ 10月24~27日 アコーディア・ゴルフ習志野CC(千葉県) 7079ヤード・パー70 【動画】思わずほっこり… 会場にいた小さな女の子からスコアカードを受け取る松山英樹&初日のスタートで魅せた“圧巻”ティーショット これが実際の映像です
桂川有人が、たくましさを感じさせるプレーで7つスコアを伸ばし、16位タイに浮上した。 日本を舞台に行われているPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」3日目は、通算17アンダーのニコ・エチャバリア(コロンビア)が首位を堅守。2打差でジャスティン・トーマス(米)が追う展開となっている。
この日、イーブンパー52位タイでスタートした桂川は、“裏街道”の10番から怒涛の快進撃を見せた。出だしの10番はボギーにしたものの、12番で3メートルを沈める最初のバーディー。パー3の13番では10メートルの長いパットを沈めて連続バーディーだ。15番ボギーの後、16番、18番もバーディーとして通算2アンダーで前半を終えた。 後半は、2番で2メートルを沈めると波に乗り、パー3の3番では左奥から5メートルのスライスラインを沈めて連続バーディー。5番ではグリーンを右に外し、バンカーとの間のラフから58度で打った第2打がカップに吸い込まれる。ここから3連続バーディーで通算7アンダー。一気に順位を上げた。 「まだショットも悪くてミスも多い。そのなかで7アンダーは自信になりました。悪いなりに何とかバーディーチャンスにつけることができてバーディーが決められてよかった。少しでも上位に行きたい気持ちがありました」と、頬を紅潮させつつ落ち着いて話す。 前日までとの違いを問われ「ちょっとした流れですかね。ほんとにたまたまです」と正直に口にした。 今季は4月に日本で開催されたDPワールド(欧州)ツアーと共催の「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!2024」で優勝。これで得た資格でDPワールドツアーを中心にプレーしてきた。だが、なかなか結果が出ず、特にここ5試合は続けて予選落ちと苦しんでいた。 「(もともとは)ショットがずっとよくて、ショートゲームがよくなかったんですけど、今は逆になっていて、ショットがよくないのをショートゲームでカバーしている感じです。でも、試合でプレッシャーがかかる中でショートゲームが磨けているので」と、あくまでも前向きにとらえている。 中学卒業後、通信制の高校に進学するのと並行して単身フィリピンに渡ってゴルフを磨いた。帰国後、日大で学生ゴルフを経験したが、2020年のプロ転向後も機会があればさまざまな試合に出場。23年は米下部のコーン・フェリーツアー参戦も経験している。 PGAツアーへの昇格もならず、日本でプレーするつもりだった今年だが、DPワールドツアーへの切符を自ら獲得。そんな日々の中で導き出した一つの答えがある。「慣れでしょうね。ジュニアの時のような感覚、自分のままで自然に。強い環境にいれば(強さに)引き寄せられる」というのがそれだ。 すべての経験を糧に、自然にゴルフをする。そんな桂川が最終日どこまでそれを生かせるか。
小川淳子(ゴルフジャーナリスト)