【大学トレンド】留学しなくても…学生の国際意識を刺激する「濃いコミュニケーション」
海外留学へステップアップも
オウチコモンズにはさまざまな学生が訪れますが、彼らが最初に接するのが、受付を担当する「オウチコンシェルジュ」の学生たちです。留学生と日本人学生合わせて約15人のコンシェルジュがシフト制でカウンターに座り、訪れる学生の要望に応じて大学職員につなぐ役割を果たしています。 「大学では年間を通して活動する『国際交流アシスタント』の学生が約70人在籍していますが、そのうちの10~15人がオウチコンシェルジュを兼任します。高校時代からグローバルな取り組みをしたかったという学生もいれば、入学してからこの拠点を知ったという学生もいます。留学生との濃いコミュニケーションに刺激され、海外留学へステップアップする日本人学生もいます」(石井さん) オウチコンシェルジュを務めるティオ・シンインさん(教育学部3年)は、マレーシアからの留学生。2年前に来日して帝京大学に入学してからは、毎日、オウチコモンズに通っています。 「コンシェルジュになったのは23年4月です。大学に着くと、まずオウチコモンズに行き、課題や予習をしています。入学するまでは、大学で話をするのはきっと日本人とマレーシア人ぐらいだろうと思っていましたが、実際に入学してみたら、中国や韓国、タイ、ラオス、カンボジア、インドネシア、ルーマニアやブルガリア、ハンガリーなど、びっくりするほどいろいろな国の人と出会えました」 コンシェルジュの活動を通じて日本人学生と親しくなれたことも、シンインさんの日々を支えています。 「日本の生活で困ったときに、頼りになるのはやはり日本人の友達です。昨年、引っ越しをしたのですが、日本で部屋を借りるのはかなり難しいことで、保証人や敷金・礼金のことなど、日本人の友達に詳しく相談して助けてもらいました」 日本語教育の専門家を目指すシンインさんは、大学院への進学も視野に進路を模索しており、しばらくはオウチコモンズでの活動が続きそうです。