特集【キャッチ】「俺、送っていきます」親と暮らせなくなった子どもの居場所「土井ホーム」もう一つの家族として支え合う 北九州市
FBS福岡放送
特集「キャッチ」です。様々な事情で実の親と離れて暮らす子どもたちは、およそ4万2000人いるとされています。このような子どもたちを受け入れ、“家族”となって育てていく施設が北九州市にあります。
この日の夕食は、ちょっとだけ苦いピーマンの肉詰めです。 北九州市若松区にある「土井ホーム」です。この家に身を寄せているのは、虐待、育児放棄など様々な理由で親と暮らすことができない子どもたちです。
親代わりとなり、自宅に受け入れているのは土井高徳さんです。土井さんが一番大切にしていることは。 ■土井ホーム ・土井高徳 施設長 「胃袋をまず満たしてあげる。心を満たす前に胃袋だってね。平均身長・体重からしたらハンディのある人が来ますから、まずしっかり食べさせる。」 「土井ホーム」では今、小学生から高校生までの6人が暮らしています。このような施設は「ファミリーホーム」と呼ばれ、児童養護施設と比べ人数が少ない分、子ども一人一人に目が届きやすい家庭的な環境が特徴です。
高校2年生の優人さん(仮名)は、みんなの“お兄さん”のような存在です。優人さんが母親の元を離れたのは4年前、中学1年生の時でした。 ■高校2年・優人さん(仮名) 「心の底では早く帰ってきてくれ、ご飯を食べさせてくれとずっと思っていた。」 仕事の関係もあり、母親は優人さんに向き合ってきませんでした。そんな中、突然自宅に児童相談所の職員がやってきました。 ■優人さん(仮名) 「お母さんが連れていってという一言で、児童相談所が連れて行くので。(児相が来た時は)殴り倒してやろうと思いました。初対面の人が結構無理なので、無理やり連れて行かれるという、殴り倒そうと思ったけど。手を出すと今度は俺がやばくなるのかなと。」
子どもたちへの虐待は後を絶ちません。2022年度、全国の児童相談所が対応した児童虐待の相談件数は21万件を超え、過去最多となりました。