最も面白い西田敏行の出演映画は? 稀代の名優の代表作(6)日本国民が愛する傑作…卓越した演技力が光る名品
2024年10月17日にこの世を去った、俳優・西田敏行。12月6日に公開を控える映画『劇場版ドクターX FINAL』まで、実に多くのドラマや映画に出演し、観客に感動を与えてきた。今回は、そんな偉大な俳優・西田敏行を偲んで、実に約50年に渡る彼のフィルモグラフィーを振り返り、その足跡をたどっていく。第6回。(文・村松健太郎)
『釣りバカ日誌』(1988年~2009年)
監督:栗山富夫 脚本:山田洋次、桃井章 原作:やまさき十三(作)北見けんいち(画) 出演:西田敏行、三國連太郎 【注目ポイント】 これまで各年代の代表的な主演作を挙げてきたが、これらとは別の次元で西田敏行の代表作であり、日本映画史に燦然と輝く大ヒットコメディシリーズが『釣りバカ日誌』。最後のプログラムピクチャーとも評される今シリーズは20年間に渡ってほぼ毎年新作が作られ続けた。 西田敏行演じる仕事より釣りを愛する“浜ちゃん”こと浜崎伝助と三國連太郎演じる“スーさん”こと鈴木一之助のコンビが全国津々浦々で珍道中を繰り広げる。豪華なゲスト出演者も見どころの1つだった。 “釣りバカ日誌”というタイトルには西田自身思い入れが強いようで、2015年から放映されたテレビドラマ『釣りバカ日誌~新入社員浜崎伝助~』で西田は、濱田岳演じる“浜ちゃん”を支える“スーさん”役を務め、オリジナルファンを喜ばせた。 これらのほかにも特に近年は助演に回って作品に重厚さを持たせる機会も多かった。 例えば、劇団ひとりが原作の映画『陰日向に咲く』(2008)や、人気ドラマの劇場版シリーズ第1弾『相棒-劇場版-絶体絶命42.195km東京ビッグシティマラソン』(2008)、2010年の山崎貴監督作品『SPACE BATTLESHIP ヤマト』、大泉洋主演でプログラムピクチャーの香りを漂わせた2011年の『探偵はBARにいる』、北野武作品に初参加となった2012年の『アウトレイジ ビヨンド』と2017年の『アウトレイジ最終章』、東野圭吾原作の『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(2017)などの作品で、助演ながらも忘れがたい存在感を残している。 (文・村松健太郎)
村松健太郎