47都道府県「年金受給額」最新ランキング…1位と最下位に生じる「衝撃の年金格差」
多様化する老後の生活…年金の受取り開始時期にも変化
老後の生活を支える公的年金。理想は年金だけで生活できることですが、元会社員・公務員で、月14万円ほどの年金だと心許ない。そこで昨今おススメされているのが、「繰下げ受給」です。原則、65歳から受け取り開始となる老齢年金ですが、66~75歳の希望のタイミングまで受取り開始時期を遅らせることができます(昭和27年4月1日以前生まれの場合は上限70歳)。1ヵ月遅らせるごとに65歳時点の年金から0.7%アップ。最大84%受取額を増やすことができます。 そんな年金の繰下げ受給を選択している人は、厚生年金受給権者で44万5,178人。これは全体の1.6%にあたります。過去5年間の推移をみていくと、0.8%→1.0%→1.2%→1.3%→1.6%と着実に増えています。 また、年金を早く受け取る代わりに0.4%減額(昭和37年4月1日以前生まれの場合は0.5%)となる繰上げ受給を選択している人は25万9,815人。これは全体の0.9%にあたります。また過去5年の推移をみていくと、0.4%→0.5%→0.6%→0.7%→0.9%と、こちらも着実に増えています。 月年金受給額を増やしたいと繰下げ受給を選ぶ人。一方で、月受取額が減ってもいいから早く年金をもらいたいと年金の繰上げ受給を選ぶ人。どちらも増加傾向。働ける年齢が引き上げとなり、老後の生活は多様化しています。それに伴い、いつから年金を受け取るかという選択も人それぞれ、多様化しているようです。 年金を元に、どのような老後を描くか……しっかりとイメージしておくことが肝心です。 [参考資料] 厚生労働省『令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』 日本年金機構『年金の繰上げ・繰下げ受給』