もう、限界です…世帯年収1,200万円の30代夫婦「湾岸エリアのタワマン」で“ウキウキ新婚生活”スタート→わずか1年半で売却したワケ【FPが解説】
共働きなくしてタワマンの維持は不可能…マイホームの“理想”と“現実”
A夫妻の生活費は下記の通り。 ・食費10万円 ・光熱費2万円 ・通信費3万円 ・交通費3万円 ・日用雑貨2万円 ・医療費1万円 ・保険料3万円 ・被服費2万円 ・交際費3万円 ・小遣い(夫)5万円 ・小遣い(妻)5万円 毎月の支出39万円 年間の支出468万円 今後、妻は退職して夫だけの給料になった場合、タワマンを維持した場合と、住み替えた場合は下記になる。 【タワマン維持の場合】 ・住居費住宅ローン25万円+7万円(管理費・修繕積立・固定資産税)×12=年間384万円 住居費384万円+年間支出468万円=852万円 収入750万円 支出852万円 年間収支=▲102万円 【住み替えの場合】 5,000万円(ローン4,500万円)のマンションに買い替え ・住居費住宅ローン11.5万円+4万円(管理費・修繕積立・固定資産税)×12=年間186万円 収入750万円 支出654万円 年間収支=+96万円 子どものためにも、できる限り一緒に過ごせる時間を増やしたいし、金銭的に切迫した家庭にはしたくない。夫婦は迷うが、A氏が「毎日毎日お金のことを考えながら生活するのがきつい。もう、限界です」と本音をポロリ。売却を決意したのだった。 幸い、不動産業者が言っていたとおり、近年の不動産価格高騰の影響で、残債8,100万円の時点で8,600万円の買い取り値が付き、頭金の500万円分も回収することができた。 ほとんどの人にとって「一生に一度の買い物」となるマイホーム。本来誰しも妥協などしたくないだろう。とはいえ、共働きを前提とした住宅の購入は、その後の生活環境の変化が大きな負担になる。特に、子育てを両親に頼れない、両親の介護が必要になるといったケースは注意が必要だ。 A夫妻「子どもの教育費を十分に準備したい」→FPの助言 A夫妻は、子どもの教育費は十分に準備したいと考え、学資保険の加入を検討していたが、子どもを増やしたいとも考えていたため、保険料が払っていけるか心配だと感じていた。 そこで、不動産投資が生命保険代わりになることを伝えると、A夫妻は不思議そうな顔をした。しかし、不動産投資用のローンでも団体信用生命保険に加入することを伝えたところ、マイホームの住宅ローンを組む際も団体信用生命保険に加入していた経験から、その仕組みを夫婦はすぐに理解した。 その結果、不動産投資で死亡保障と老後資金をカバーすることで、加入中の生命保険(養老保険)を見直して、毎月の保険料が2万円減額でき、これを学資保険に回すことができた。 多くの人にとって、不動産は人生で最も高額な商品だろう。その支払いは長期にわたるため、事前に十分なライフプランのシミュレーションが必要不可欠といえる。過去の事例や失敗談などをしっかりチェックして、必要に応じてFPなど第三者に相談することも検討してみてはいかがだろうか。 伊豫田 誠 FP事務所ストラット 代表/不動産投資専門ファイナンシャルプランナー