なぜ中日の大野雄大は“村上封じ“に成功したのか…根尾との注目対決は四球に終わり賛否も
中日の大野雄大(33)が16日、バンテリンドームで行われたヤクルト戦に先発、56号が期待された村上宗隆(22)を3打数ノーヒットに抑え込むなど、7回を1安打無失点に抑えて7勝目を手にした。9回には根尾昂(22)vs村上の“演出”もあり球場を沸かせたが、こちらは四球に終わった。なぜ大野は村上攻略に成功したのか?
裏をかく配球の駆け引き
大野にとってリベンジの舞台だった。 前回のヤクルト戦(9月2日・神宮)の登板では、3回一死一、三塁で中途半端に攻めたカットボールを捉えられ、先制の50号3ランを許して、5回4失点KOで8敗目を喫していた。 「やはり村上選手ですね。前回登板もいいところで打たれたし、なんとか村上選手を抑えないと勝利はないなと思って今日も挑みました」 お立ち台でインタビュアーから意識したことは?と聞かれ自ら村上の名前を出した。 沢村賞投手の自負だろう。 注目の第1打席は2回の先頭打者として迎えた。初球は外角低めにボールとなるストレート。2球目は一転、インサイドをツーシームで攻めてストライクを取った。ここからは3球続けて、すべて外角勝負。だが、カウント2-2からの最後の勝負球は、内角の膝元へ落とすツーシームだった。村上はストレートのタイミングで振り出して豪快に三振した。 「試合前のミーティングで村上選手をどうやって抑えるかという時間を一番長くとってますし、その中で、一球一球、攻め方は変わるんですが、その中で最後はインコースの落ち球で、三振を取ることができた」 第2打席は4回一死走者無し。4点のリードをもらった直後の大事なイニングだった。初球にど真ん中にカットボール。木下は外角低めにミットを構えていた。逆球となる、いわゆる失投だったが、村上は、変化球は狙っていなかったのだろう。それを見送った。続いて外に同じボール。そして、また第1打席に三振に取ったツーシームをインサイドに投じて空振りを奪って追い込むと、最後は、高めにフォークが抜けてしまう制球ミスだったが、クイック気味に投げるので、村上はあわててバットを出す形となりセカンドゴロ。 そして7回の第3打席も先頭打者として迎え、外角にストレートを続け、ボールが先行。バッティングカウントの2-0となったが、甘いツーシームを村上が珍しく打ち損じた。バットの芯を外しながらも強烈なゴロが一塁を襲ったが、阿部の正面。 試合後、立浪監督は、「怖い打者ではあるが四球を出さずにうまく攻められた。前回、ホームランを打っているが、そうはキープできないし今日は点差があり、その分、攻めていけた。どこのチームも内角、外角をうまく使いながらと言うが、どうしてもボールカウントが先行して結果打たれているのは少し甘めになる。インコースを狙っているし、この前の巨人戦(13日・神宮)では大勢投手がアウトコースのまあまあ良いところを逆方向に打たれた。そういうこともあるが、基本は、ある程度のコースにいけばホームランは防げる」と称えた。 なぜ大野は”村上封じ”に成功したのか。