紅白は本当に「オワコン」? 出場者にとっての夢舞台「光栄なこと」、音楽関係者が語る魅力
AKB48『君はメロディー』で念願の“紅白出場”
『紅白歌合戦』で、僕が作曲した楽曲を歌唱していただいたのは16年のAKB48『君はメロディー』でした。ようやく9年越しの念願、いや、幼い頃からの「夢」がかなったんです。たくさんの友人知人から「おめでとう」と連絡をもらいました。そして何より、苦労と心配ばかりかけてきた家族や親戚が喜んでくれたことが、本当にうれしかったんですよね。 やはり『紅白』に出場できるのは、歌謡界に身を置くものとしては、これ以上ない光栄なことなんです。 今年も『紅白歌合戦』の歌唱楽曲が発表されました。チャンスがあった作詞家・作曲家のみなさんは、ドキドキの日々を過ごしたことでしょう。気持ち、分かるなあ。歌唱いただける作家さん、おめでとうございます。きっとご家族ご友人など大変に喜んでもらえることと思います。 『紅白』出場者に関して、口の悪い40代以上世代の視聴者は「誰も知らないよ」なんて言ってますし、若い世代は「またこのメンツか」と思ったりするんですよね。 しかしながら、僕は上の世代は若い歌手たちを知る機会になれば良いし、若い人たちはベテラン歌手たちの必殺キラーチューンに普遍性を見いだしてみるのもいいんじゃないかって思うんです。せっかくだから『紅白歌合戦』を日本一伝統ある「フェス」と捉えて、楽しんじゃえばいいんです。 そして、時々作詞作曲のクレジットも見ていただいて、作者たちの誇らしい気持ちにも、思いを寄せてみていただけたらうれしいですね。 □成瀬英樹(なるせ・ひでき)作詞・作曲家。1968年、兵庫県出身。92年、4人組バンド・FOUR TRIPS結成。97年、TBS系ドラマ『友達の恋人』(瀬戸朝香・桜井幸子主演)の主題歌『WONDER』でデビュー。2006年、AAA『Shalala キボウの歌』で作曲家デビュー。AKB48『BINGO!』『ひこうき雲』、前田敦子『君は僕だ』『タイムマシンなんていらない』などがトップ5ヒット。16年、AKB48のシングル『君はメロディー』で年間チャート2位を記録するミリオンセラーを達成。21年、乃木坂46『全部 夢のまま』を作曲。
“you-me”成瀬英樹