特別支援学校の子どもたちの作品展、東京・上野で開幕 展示に工夫も
東京都内の特別支援学校に通う児童生徒の作品を展示する「アートプロジェクト展」が17日まで、台東区上野公園の東京芸術大大学美術館陳列館で開かれている。 【写真】最年少の宇宙飛行士、米田あゆさん 月で見つけたい「新しい科学」 作品展は、都教育委員会が児童生徒の才能を伸ばそうと2015年度から始めた。9回目となる今回は最多の1022点の応募があった。会場には絵画や版画、粘土や木材を使った造形物など、審査で選ばれた51点が展示されている。 足立特別支援学校高等部2年の太田聖海(せいる)さん(17)は、昔話に着想を得て「九尾のキツネ」を描いた。「かっこいい姿を描きたい」と炎のように見える赤色にこだわり、「キツネの目とお客さんの目が合う」ところが気に入っていると話した。 審査員を務めた同大美術学部の青柳路子准教授(美術教育)は「見る側も驚かされる作品ばかり」と話す。展示にあたっては、同大の教員らが額装や配置を決め、側面にも描かれた絵は額に入れずに飾ったり、ノート上のスケッチは展示するページ以外も撮影してデジタル化したり、作品の持つ魅力を最大限生かす工夫をした。 同大美術学部テクニカルインストラクターの西山大基さん(美術教育)は「子どもたちの思いをこぼさないよう、見せ方を考えた。どの作品も素晴らしく、嫉妬してしまうほど」と言う。 入場無料。会期中は無休で、午前10時から午後5時(10、11、17日は午後8時まで)。都教委の公式サイト(https://www.artproject.metro.tokyo.lg.jp/exhibition/dai8kai_tenjikiroku/)では、前回展示された作品も見ることができる。(太田原奈都乃)
朝日新聞社