石破首相は“安倍政治の総括”を放棄したのか…赤木雅子さんと交わした携帯メッセージ
総選挙での苦戦が伝えられる石破首相。もともと森友事件の再調査が持論で、事件で命を絶った赤木俊夫さんの妻、雅子さんとの携帯ショートメッセージなどのやりとりが、24日発売の週刊文春で報じられている。でもこれって相手は本当に石破さんなの?なりすましの疑いはないの? と疑問を抱く方もいるだろう。 安倍昭恵氏が裏金候補の“救世主”に…アピる「夫の魂」に《裏金こんにゃく寄付疑惑を説明して》の当然 石破首相が赤木雅子さんと初めて会ったのは3年前の9月。当時、石破氏が森友再調査を明言していたことから、真相解明を求めていた雅子さんとの面会が実現した。議員会館の事務所で会った2人は話がはずみ、互いに携帯電話の番号を交換。この番号に電話すると石破氏本人が出るから間違いない。 翌月、雅子さんは就任したばかりの岸田首相(当時)に再調査を求める手紙を出した。そのことを石破氏にメッセージで伝えるとすぐに返事が来た。 「長い戦いになるのかもしれませんが、正義や誠意が通じない世の中であってはなりません」 2日後、石破氏は再び雅子さんと会う。その場で岸田首相に手紙を読むよう伝えると約束。その夜、メッセージで連絡が来た。 「岸田さんには伝えておきました。安倍氏が怖くて反応はしないかもしれませんが」
今年5月には「今こそ」
その5日後、再びメッセージが届いた。 「岸田氏からは『手紙はもちろん読みます』との返信がありました。世論の高まりが大切です。私も全国の総選挙(3年前)の応援演説でこの件を訴えて参ります。諦めない限り思いは必ず叶うと信じます」 そして今年5月。財務省が雅子さんの情報開示の求めを再び拒否した時。 「森友問題は未だに終わってはいないとの認識を強く持っておりますが、残念ながら現政権(岸田政権)にはそのような意識があまり感じられません。反省を込めた安倍政治の総括が今こそ求められます」 安倍政権に批判的で「党内野党」と呼ばれ、森友事件の真相解明を唱えてきた石破首相。遺族との間で実はこれだけのやりとりを重ねていた。それが今や、総選挙での劣勢が伝えられると演説で「悪夢のような民主党政権」と発言。それって安倍さんの決めゼリフでしょ。森友再調査から逃げる姿は、“安倍政治の総括”という持論を石破首相が自ら放棄した象徴のように見える。 (相澤冬樹/ジャーナリスト・元NHK記者)