右顔面と首に激痛が…「この痛みはやばい。死ぬかも」30代半ばで、前例のない首の手術をする必要があったわけとは
首への前例がない「硬化療法」へ
しかし毎日の痛みに加え、右顔面と首が常に痛むようになった飛田さんは「この痛みはやばい。死ぬかも」と感じ、真剣に病院へ通います。循環器科なのか心臓血管科なのかがわからなかったため、その二択で病院をいくつか受診してみましたが、それでも病名を即答できる医師はいませんでした。 「わからないのであればもう大丈夫です、他あたってみます」と医師に伝える飛田さんの心の中には、半ば苛立ちと諦めがあったといいます。 多くの病院をめぐり、ようやく行き着いた先の病院で「硬化療法で治る」という言葉を聞かされました。しかし、首への前例がなかったのです。硬化療法によって前例のない首への手術と、失敗するリスクに対してへの心境を聞いてみましたが「これまでの人生を振り返るとか、やり残したことはないか?」などすら考える暇なく手術当日を迎えることになったといいます。 しかしその当時、飛田さんはすでに動物保護施設に身を置いていたため、好きなことをして生きている自分にあまり悔いは感じなかったと話します。 そして、手術は無事終わりました。 そのとき「硬化療法だってきっと何千もの動物に試されているかもしれない。その硬化療法によって今生きられている」と飛田さんは感じ、よりたくさんの動物の命について、より深く考えるきっかけとなったといいます。 これまでは「動物保護という好きなことをしている自分」だったのが「恩を返していきたいと考える自分」へと変化した瞬間になりました。
「丈夫に産んであげられなくてごめん」と謝る母
手術をするにあたって、周りの方々の支えについて聞いてみると、飛田さんのお母さんは「丈夫に産んであげられなくてごめん」と謝っていたといいます。 また飛田さんの上司や幼なじみが手術前に遠くから会いに来てくれたそう。 その人たちに「手術するわ!もしかしたら死ぬかもしれんけどそのときはよろしく!笑」と本当は緊張していたものの、普段から明るい性格の飛田さんが冗談めかして言ったため「周りもあまり本気にはとらえていなかった部分がありますね」と飛田さんは話していました。