子どもの教育費や老後の資金…お金が一番かかる30代・40代夫婦の「賢い投資戦略」って?
老後資金の準備にも新NISAはピッタリ
また、30~40代の方は、おそらく老後の生活が心配な人も多いでしょう。昨今、ニュースでも話題になっていますが、人口減少、少子高齢化によって、私たちがもらえる年金が減っていくことは避けられません。 以前、老後2000万円問題が話題になりましたが、ゆとりある老後生活を送るためには、自分たちである程度の資産を準備しておくのが大事です。 65歳から95歳までで、老後生活が30年続くとして、国からの年金とは別に月5万円程度の余裕を持っておく想定をしてみます。そうなると、月5万円×12カ月×30年=1800万円で、やはり2000万円程度を老後資金の目安としておくのがいいでしょう。 ただ、老後に向けて2000万円の資金が必要となっても、30~40代の方はけっして慌てる必要はありません。たとえば35歳の方なら65歳になるまで30年、45歳の方でも20年はあります。 45歳から老後資金の準備として、月5万円の積立を20年間続けて、年利を5%と仮定します。そうすると20年後には元本1200万円に対して、約847万円の利益となり、元本と利益合わせて2047万円もの資産になるので、老後資金の準備もバッチリです。 このように老後資金の準備目的であれば、運用期間がそれなりに長く取れます。なので、30~40代の方は、今から新NISAで老後資金の用意も始めていくといいですね。
まとまった資金を新NISAで投資するには?
30~40代の方は、20代に比べて長く働いていることにより、ある程度の資産が築けている方もいるでしょう。その際、まとまった資金を新NISAに回すなら、貯金と投資のバランスを考えることが重要です。 手元に1000万円の資産があるとして、それを半分ずつに分け、500万円を貯金、500万円を新NISAの投資でインデックスファンドに振り分けるとします。その後、もし株式相場が暴落し、保有しているインデックスファンドが50%下落したとすると、250万円の評価額になってしまいます。 しかし一方で、株式相場が下落した後でも、貯金の残高はそのまま500万円で変わりません。貯金と投資、合計の資産推移を見ると、1000万円の資産は750万円となりました。投資のみだと50%の下落でしたが、貯金の残高は変わらなかったため、トータルで25%の下落で済んだことになります。 そのため、貯金と投資の割合は、貯金:投資=50:50を基準としてみましょう。私も基本的には、貯金と投資は半分ずつの割合を目安にしていますね。その上で、もう少し守りたい人、つまり安定的に運用したい人は貯金:投資=70:30で、貯金の割合を大きくしておきましょう。相場の下落時も、多めに確保した現金がクッションとなってくれて、トータルでの下落幅を抑えてくれます。 逆に攻めたい人、つまり積極的に運用したい人は、貯金:投資=30:70で、新NISAでもまとまった資金を投資するのが分かりやすくていいでしょう。いずれにしろ、まとまった資金を投資する際も、株式相場が低迷した時を想定して、貯金をある程度は確保しておくようにしましょう。 ちなみに先ほどの例で、500万円を新NISAで投資する際の補足をしておきます。新NISAの非課税枠は年360万円なので、1年目で360万円を投資して2年目に残りの140万円を投資する形でOKです。残りの140万円についてはいったん貯金で置いておけばいいでしょう。 しかし、投資資金を寝かせずに運用へ回しておきたいという方なら、利益に税金はかかりますが、140万円を特定口座で投資しておくのもアリだと思います。ただ、そもそもまとまった資金を一括投資するのは不安という方なら、月10万円×50カ月などで、コツコツ積立しておく選択肢もいいかもしれませんね。 ※本記事は書籍『イラストと図解で丸わかり!世界一やさしい新NISAの始め方』より抜粋しております。記載内容は、書籍が発売された2024年3月現在のものです。
with online