「ヒーローになるつもりで準備してきた」140キロ超連発の剛腕など、新時代のスターが現る?!甲子園大会は「準硬式の良さを表現する1つの大きな大会に」<準硬式・甲子園大会>
その点でいえば、東日本選抜のクローザー・松下未来投手(県岐商出身)は、会場を巻き込んで、まさに甲子園で快感を味わった。 8回からマウンドに上がると、最速144キロ、常時140キロ近くを連発するストレートで西日本選抜を圧倒。球場内にいた観客からも「速い」と思わず声が漏れるほど。圧巻の投球には、「不思議な力が出た」と笑みをこぼした。 とはいえ今日の試合、「最初からヒーローになるつもりで準備してきた」とやる気満々でマウンドへ。自ら志願した胴上げ投手にもなれて「めちゃくちゃ気持ちよかった」とやり切った表情に満ちていた。 松下と同じ東日本選抜の主将だった久保嶋真也内野手(桐蔭学園出身)も「投手陣は、自分がゲームを決めるくらいの気持ちが強かったから、抑えられたと思います」と話す。 一方で西日本選抜の伊藤元翔主将(初芝橋本出身)は「学生委員の方が中心にいるからこその、自分たち選手というのが甲子園大会だと思う」と話し、主役は支えてくれた学生委員たちであると主張する。
プレー時間が短くても、その瞬間だけは主役となって堂々としているように見えた。準硬式は選手だけではなく、学生委員、マネージャーなどあらゆるポジションで活躍できる世界。どの役職、役割であっても、誰もが主役になれる。そんな準硬式らしさが、この甲子園大会では終始見られた。 もちろん試合以外のキャリアガイダンス、インテグリティ研修など3日間のどこを切り取っても、準硬式らしさが詰まっていた。今回のプロジェクトリーダーという大役を終えた鈴置結希奈さんも「甲子園大会が今後、準硬式の良さを表現する1つの大きな大会になってくれたらいいと思います」と語り、象徴的な存在になることを期待しているようだった。 是非次回以降も甲子園大会を開く機会をいただき、準硬式を学び、広げ、そして新たな主役を誕生させてほしい。それが甲子園大会の持つ役割であり、新たな象徴としてあるべき形ではないだろうか。そのためにも、今大会に参加した選手たちが先頭に立って、準硬式界を牽引して欲しい。