整形が身近になり<顔面至上主義化>した現在。YouTuber・佐伯ポインティ「若い人とかめっちゃ感じてるだろうなって。でも…」
◆役者の表情筋 例えば、すごく演技がうまい役者の人って、「そういう人生を歩んできた人の表情筋」っぽく振る舞えてるんだと思うんだよね。大雑把(おおざっぱ)な性格の人物を演じてる時の安藤(あんどう)サクラと、神経質な性格の人物を演じてる時の安藤サクラって、表情が違うと思わない? ……今これを読んでる人が「うんうんうん」って頷(うなず)いているの、伝わってますよ(笑)。あとは、ずぼらな時の尾野真千子(おのまちこ)と、すごい怒りっぽい時の尾野真千子ね。全然表情筋違うよね。 多分役者の人って、「この人はどういう人生で、どういう表情、どういう表情筋なのか」っていうのをコントロールしてると思うんだ。だから、本当にそういう人に見えてくるんだよね。 でね、何が重要かと言うと、どういう顔をしてるかっていうのはもう所与のもの、与えられてるものだから、そこをそんなにいじってもしょうがない。むしろ、「どういう表情筋をしていくか?」っていうほうが大事だと思ってる。 表情筋こそが、人を魅力的に見せたりとかするんだと思うんだよね。
◆心や感情は整形できない 別に否定したいわけじゃないんだけどさ、整形すると表情筋が少しいびつになったりとか、表情筋にちょっと影響が出たりするんだよね。顔のパーツとか、場所によるとは思うんだけど。もちろん整形することでもっと魅力的になったり、自分のコンプレックスが解消されたりとか、あるとは思うんだけど……。 周囲から素敵な人だと思ってもらうことが目的だったら、整形するか、魅力的な表情をするのかって言ったらさ……、みたいな話なわけよ! 「まぬるねこ」は不安を感じてるとは思うけど、今後整形してパッケージを変えて、「うわ、まぬるねこ、すげえ顔タイプだわ」って言われて、それで何か関係が発展するってなったとて、心や感情は整形できないやん。 だから、自分の外見容姿に惹かれてくれた相手に、その後も「魅力的な人だな~」って引き続いて思ってもらえるかどうかっていうほうが大事なんじゃないかな。そこで、ビジュアルと中身を繋(つな)ぐのが「表情筋」だと思ってる。 だからもう……、いっぱい笑って泣いて、表情筋を鍛えてこ! 自分の感情を大事にしてよ! それがね、いい顔つきになってきたなとか、いい目をしてるなとか、そういう話になるんだと思うね。 師匠みたいな老人はカラコンの人に、「いい目をしてるね」って言わないじゃん。整形後のダウンタイム終わった人に「うむ、いい顔つきをしている(キリッ)」とは言わないと思う。……まあ、それ言ってんの誰なのって話なんだけど(笑)。 ※本稿は、『おいでよ ポインティの相談天国』(祥伝社)の一部を再編集したものです。
佐伯ポインティ
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