【池上解説】ハロウィンの「かぼちゃ」はもともと「かぶ」だった!?
日々色々なニュースが飛び込んできますが、今日は意外と知られていないニュースをご紹介しましょう。知れば「そうだったのか!!」となる、池上流の「ニューストリビア」です。 【画像】ハロウィンの「かぼちゃ」はもともと「かぶ」だった!?
■ハロウィンが盛り上がるようになったきっかけは日韓ワールドカップ!?
間もなくやってくる、10月31日のイベントと言えばハロウィンですね。様々な仮装をしたりカボチャを飾り付けたり、と色々な楽しみ方があります。その一方で、渋谷などでは盛り上がりすぎて町中がゴミだらけになったり、物を壊したり、中には車を倒して大暴れをして逮捕者が出るなど問題になるケースも増えてきました。 でもちょっと前までハロウィンと言ってもこれほど盛り上がってはいなかったですよね?海外の風習として存在を知っていたり、テーマパークで盛り上がっている、そんなイメージでした。一体いつから日本の街中でもこれだけ盛り上がるようになったのか、みなさんはご存知でしょうか。 実はこれは2002年の日韓ワールドカップがきっかけといわれています。 この日韓ワールドカップでは、日本が勝利した時渋谷のスクランブル交差点やセンター街に集まって勝利を祝う、そんな出来事がありました。通りすがりの人とハイタッチをする、そんな光景があちこちで見られました。この頃、渋谷にはパブリックビューイングやスポーツバーが出来ていて、自然発生的に盛り上がったんですね。これをきっかけに何かあった時に渋谷に多くの若者が集まる、そんな習慣ができたと言われています。昔から、と思いきやここ20年くらいの話なんですね。あまりに多くの人が集まるようになったので渋谷に登場し、一躍有名になったのがDJポリスです。 そして去年はついに「ハロウィン目的で渋谷に来ないで」と渋谷区によってハチ公近辺が封鎖されましたね。さらに今年は10月から渋谷駅周辺で夜間(午後6時~翌朝5時)の路上飲酒が禁止となりました。これはハロウィンに関係なく、基本通年で実施されます。これでまたハロウィンの風景が変わるかもしれません。 ではそんなハロウィン、一体なぜ仮装するのか、なぜかぼちゃを飾るのか、そしてどんな理由で始まったイベントかご存知ですか? 諸説はありますが、もともとは2000年以上前、アイルランドやスコットランドなど広い地域に居住していた古代ケルト人の習慣と言われています。古代ケルトでは11月1日が新年の始まりだったのですが、その前日、10月31日は先祖の霊を迎える日だったそうです。でも同時に悪霊もやってくる、と言われていたので魔よけの意味も込めた焚火などの儀式を行っていたんです。ちょっと日本のお盆にも似てますよね。 それが8世紀ごろ、ローマ・カトリックが11月1日をすべての聖人を記念する祝日、「ALLHallows」と定めたことから、その前日が「ALLHallowsEve」オールハロウスイブ、短縮されてハロウィンとなったわけです。後になって「収穫を祝う」という意味も加わって、さらにその習慣がアメリカにわたって今の形になった、と言われています。 ではなぜ仮装をするんでしょうか? アニメや映画のキャラクターに仮装する方もいると思いますが、じつは人間が人間に仮装しても意味がないんです。先ほど先祖の霊を迎えると同時に悪霊もやってくる、という話をしました。もともと仮装とはその来てしまった悪霊を追い払うためなんですね。こちらも悪霊の格好をすることで、相手を怖がらせたり、仲間と思わせる、そんな意味があるんです。そのため人間の格好をしていたのでは悪霊が帰ってくれません。それでは意味がない、というわけです。 そしてハロウィンと言えばかぼちゃをイメージされる方も多いのではないでしょうか。でも昔は違う野菜が使われていました。 実はかぶだったんです。今のかぼちゃはちょっと愛嬌がある可愛い顔をしていますが、昔は怖い顔していたんです。 このかぶのランタンがアメリカにわたって今のかぼちゃになったと言われています。一体なぜだと思いますか?こちらも諸説はありますが、アメリカではたくさん大きなかぼちゃが採れるからだ、と言われています。大きなかぶよりも大きなかぼちゃの方が手に入りやすかったんですね。そしてそのかぼちゃに火をともすことで悪霊を追い払う、そんな意味があると言われています。