まさかのスズキ新型「ジムニー」は出ない? 去年話題の「カクカクなシルエット」はどうなった? 電動化が難しい理由とは
こうしたジムニーの性能こそが、世界のプロフェッショナルに愛される由縁なわけですが、EV化してしまうと担保できないという結論にスズキは達したというのが筆者の見方です。 すでにこの夏、欧州向けとしてのジムニーの生産を終了すると発表されています。 これはより厳格化される環境規制に対して、ジムニーが十分に対応できないためだと思われます。 かつてスズキが計画の中で発表したeジムニーは、この規制への対応策だったわけですが、白紙状態に戻ったわけです。 ちなみに鈴木社長は前述のインタビューの中で、「ジムニーをプロフェッショナル向けの道具として提供し続けるとすれば、eフューエルやバイオ燃料を使用したICE(内燃機関)技術がジムニーの未来を支え続ける技術かもしれない」と語っています。 スズキの未来的なICE技術開発がどこまで進んでいるかは分かりませんが、数年内に欧州で新しいジムニーが登場するというのは難しくなったと言えます。 日本でも660cc版ジムニーの環境性能がギリギリだという話は数年前から出ており、今後の対応が業界やユーザーから注目されていました。 まだ規制がそれほど進んでいないアジアや南米を除いて、先進国でのジムニーの立ち位置は一大転機を迎えたと言えます。 2025年夏には日本で5ドアモデルが導入されるかもしれないという情報もあるジムニーですが、シリーズの今後の成り行きに注目したいところです。
山崎友貴