「毎晩血まみれの夢を」…性被害を告発・睡蓮みどり「男性の生々しい現実に失語症になった学生時代」
彼女は毎夜、夢を見る。恐ろしい夢だ。 「血まみれの夢です。刃物で年上の男性をメッタ刺しにしたり、自分の全裸の遺体が20体も冷たい床に並んでいたり……。毎晩のように悪夢を見るので、もう慣れて恐いとは思いません。ただ目覚めた時の気持ちは、不快極まりないです」 「毎晩血まみれの悪夢を見て」…性被害を実名告発の女優・睡蓮みどり「美しき素顔」写真 彼女の名前は睡蓮みどり(36)。’22年4月に後に逮捕、起訴される映画監督・榊英雄氏からの性被害を実名告発した女優だ。文筆家としても活動している。強姦事件以降、悪夢に悩まされるという睡蓮さんを「イチ被害者」に落とし込むべきではないだろう。多くの日本人男性が持つよどんだ感情や社会の醜い横顔が浮き彫りとなる、睡蓮さんの半生を本人の言葉で紹介したい。 睡蓮さんは、神奈川県内にある中高一貫のミッション系女子校に通っていた。 「『ごきげんよう』と挨拶するような、いわゆる『お嬢様学校』です。校則は厳しかったですが、女子だけだったので異性の目を気にせずのびのびしていて」 卒業後、睡蓮さんが進学したのは早稲田大学第二文学部。当初は小説家や編集者に憧れ、作品も書いていた。しかし入学後、激しい葛藤に苦しみ始める。 「担当講師から『君は書く仕事に向いている』と言われ、有名作家が参加するパーティに連れていってもらったこともあります。最初は特別扱いされているようで嬉しいと思ったこともありますが、徐々に苦しくなっていきました。ずっと年上の作家から『飲みに行こう』と誘われ、それ以上の関係を求められたり……。生々しい男性の現実と折り合いがつけられなかったんです。それである日、言葉を失いました。人前でうまくしゃべれなくなる失語症です」 ◆「俺とつき合えば仕事があるよ」 失意の中で出会ったのが、オーディションを受けて入った芸能界だ。 「小説とは、まったく別のことをしようと考えている時に、たまたま手にした雑誌でグラビアのオーディション情報を見ました。演技による肉体表現で言葉を取り戻せるかもしれないと思ったんです」 経験したのは芸能界の濁った現実だった。 「『俺とつき合えば仕事があるよ』と、プロデューサーや事務所の社長から言われたのは一度や二度ではありません。男性たちは社会的には『立派なおじさん』です。当時はセクシャルハラスメントという意識もない。これが芸能界の常識なんだから受け入れなきゃと思いつつ、精神をすり減らしていました」 そんな苦悩の日々の中、睡蓮さんは後に性被害を受ける映画監督・榊氏と出会うことになる――。 有料版『FRIDAY GOLD』では、睡蓮さんが現在でも悪夢に悩まされる榊氏からの性暴力について詳しく報じている。さらに睡蓮さんの受けた被害から日本社会の問題を考察。また睡蓮さんの学生時代など、貴重な秘蔵写真も掲載している。
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