中国人訪日客ビザ要件緩和 富裕層限定「10年」新設 爆買い期待?
「爆買い」で注目される訪日中国人が再び増えるのでしょうか。岩屋毅外務大臣は25日、訪問先の中国で中国人のビザ発給の要件を緩和すると明らかにしました。新たに中国人の富裕層限定で10年間有効な個人ビザも追加されます。 【画像】「中国語のキャンディーやクッキーの包み紙が…」観光地ではマナーの心配
■富裕層限定「10年観光ビザ」新設
岩屋外務大臣 「中国人に対する観光に関連する一連の査証(ビザ)緩和措置を実施することを決定いたしました」 岩屋外務大臣は25日、中国を訪問し、李強首相や王毅外相と続けて会談しました。 岩屋外務大臣 「時代の変化とともに交友の形も変わり、質を高める必要があると考えています。時代のニーズを踏まえた人的文化交流を再スタートさせていきたいと思う」 今回の緩和策では「団体観光ビザ」の滞在可能日数を現在の「15日」から「30日」に延長すること。また「個人観光ビザ」では65歳以上の中国人に限り、取得に必要な在職証明書の提出を不要とすることを決定しました。 さらに、富裕層限定で「10年間有効な観光ビザ」も新設します。ビザ緩和の見通しが中国国内に伝えられると…。 Record Chinaから 「急いでくれ。年明けに行きたい」 「日中関係が改善してきた感じがする」 今回の決定に先駆け、先月、中国政府は日本人向けの短期滞在ビザの免除措置を再開しています。
■観光地は期待も オーバーツーリズムの心配
中国人向けのビザ緩和について日本の観光地からは…。 嵐山商店街 石川恵介会長 「近い国ですぐ来られる距離なので。ぜひ来ていただきたいので、(ビザが)復活したのは観光地にとっていいニュース」 一方で、観光マナーが心配だとも話します。 石川会長 「ゴミとか、中国から持ってきたのだろうが、中国語のキャンディーとかクッキーの包み紙が座って食べていたのだろうなと。置いてあって、なんだか悲しい」 日本政府は中国からの観光客の急増を抑えるため、今回、個人の短期滞在ビザの「免除」は除外されました。 石川会長 「人口がやはり多く距離も近いので、たくさんお越しになって、買い物や食事もするだろうし。そういう意味で観光地が潤うだろうと期待はしている。どのお客様もたくさん来てもらえるのはありがたい」 それぞれの緩和措置は日本側の準備が整い次第、春ごろから段階的に実施されます。
■専門家「マイナスをゼロに戻すメリット」
日本がビザ緩和にかじを切ったことについて、専門家はこう話します。 拓殖大学海外事情研究所 富坂聰教授 「日本側は中国との関係をすごく悪化させていくことは、最大の貿易相手である以上そんなに良いことはない。経済的に大きく依存しているので、本当に冷え切ってしまう状況を作りたくない。そこを緩和できていく、普通の状態に戻していける。特に今はマイナスになっているので、マイナスをゼロに戻すことのメリットは大きいのではないか」 (「グッド!モーニング」2024年12月26日放送分より)
テレビ朝日