全トヨタ労連、5年連続で統一要求見送り…前年超えの賃上げ目指す
トヨタ自動車グループの労働組合が加盟する全トヨタ労働組合連合会は19日、2025年春闘の方針案をまとめた。基本給を底上げするベースアップ(ベア)に当たる賃金改善分は5年連続で統一水準を示さず、前年を超える賃上げの実現を目指す。
上部団体の自動車総連は、中小組合を念頭にベア要求額の目安を月額1万2000円とする執行部案をまとめているが、全トヨタ労連は「各労組がそれぞれ課題に沿って交渉できる地力がついてきている」(吉清一博事務局長)とし、要求額は各組合に委ねる。
一方、日産自動車労働組合や日産の部品供給会社の労組でつくる日産労連は、ベアに相当する賃金改善分の要求水準について、「1万2000円以上」とする方針を固めた。「1万円を基準」とした24年春闘の要求水準から2割上積みし、比較可能な13年春闘以降で最高となった。ただ、日産の業績不振は深刻で、昨年を上回る回答を得られるか不透明な部分もある。