奄美の自然や文化に触れる 東京の高校生が研修旅行 住民との交流や泥染め体験も
東京都の中央大学杉並高校(高橋宏明校長)の生徒62人が9日、鹿児島県龍郷町の長雲峠にある「奄美自然観察の森」を訪れた。3泊4日の研修旅行の一環で、エコツアーガイドらから奄美大島の自然について教わり、森を散策した。 研修旅行は同校2年生の生徒約330人が対象。沖縄や韓国、マレーシアなど五つのコースがあり、62人が奄美を選んだ。探求型授業の一環で、島の現状を知り、自然環境に関する深い理解を目指す。生徒たちは昨年4月以降、グループに分かれて事前調査や島民とのオンライン交流を実施するなど、奄美に関する知識を持って来島した。
自然観察の森では、3班に分かれて行動。ある班は、奄美自然研究会会長の常田守さんの案内で森を散策。シマオオタニワタリやクワズイモなど亜熱帯の植物を観察したほか、希少種アマミテンナンショウを写真撮影。ミナミトラツグミの亜種オオトラツグミに2羽遭遇し、ルリカケスの鳴き声にも耳を澄ませた。 生物が好きで、奄美を研修先に選んだという生徒は「固有種が多い奄美にひかれた。実際来てみて、東京で暮らす中でなかなか見られない貴重な動植物を観察できて、いい経験になった。奄美はきれいな海だけでなく森にも魅力があると気付いたので、再来したい」と話した。 滞在中、地元住民や観光業者との交流、伝統工芸の泥染め体験などもあった。研修旅行後は、ほかのコースに参加した生徒たちも含めた報告会や各自探究レポートの作成があるという。