東京・墨田区 要配慮者を“バス避難”大規模水害に備えて旅行会社と協定締結
観光で使われている大型バスを大規模水害などの災害時に避難が難しい要配慮者の移動手段として活用するため、23日、東京・墨田区と旅行会社の東武トップツアーズが災害協定を締結しました。 台風による大雨などで大規模水害が発生した場合、墨田区を含む“海抜ゼロメートル地帯”では浸水が数週間続く地域もあると想定されているため、高い建物へ避難するだけでなく、浸水のおそれのない地域への「広域避難」が必要だと考えられています。 しかし、高齢者や障がい者などの要配慮者は、遠くまで歩いて避難することが難しかったり、移動手段が限られたりすることなどから、墨田区は、東武トップツアーズとの間で旅行会社が持っているバス会社やホテルとのネットワークを生かして、住民などの移動手段と宿泊施設を確保する協定を締結しました。
協定には具体的に、大規模水害や大地震の災害時、大型バスを優先的に配車して要配慮者を安全な場所へ避難させることのほか、区民の一時的な避難場所や、他の自治体から派遣される応援職員を受け入れるための宿泊場所の確保などが盛り込まれているということです。 東武トップツアーズは会社の強みである全国のネットワークを使って地域課題の解決につなげたいとしています。 墨田区防災課の担当者は今回の協定締結を受けて、要配慮者の避難対策が具体的に進んだとして、災害時に逃げ遅れて命を落とすことがないよう、今後も対策を考えていきたいとしています。