85歳のバレリーナが復活のステージへ!感動の舞台に密着 鹿児島のバレエをけん引してきた白鳥見なみさんが伝えたもの
“復活の演技”で観客を魅了
2024年11月30日、白鳥バレエの75周年を祝い、会場のホールには多くのバレエダンサーが集まった。 舞台裏で「うれしいような、怖いような」という見なみさんだったが、「皆さんのおかげで75周年を迎えた」と感謝の気持ちを語った。 会場には舞台を楽しみにする多くの観客が列をつくった。いよいよ開演だ。 第1部は見なみさんの物語。娘・五十鈴さんが作ったオリジナル作品である。 舞台袖で教え子たちが精一杯踊る姿を感慨深げにみつめる見なみさん。いよいよ15年ぶりの本番を迎えた。 ピアノをフィーチャーした静かな曲が流れる中、五十鈴さん演じる若き日の自分と、踊りで交わった。 そして、最大の見せ場「リフト」を迎えた。 屈強な体格の男性ダンサーに細身の見なみさんが持ち上げられる。その手足はスッと伸び、年齢を全く感じさせない。客席から拍手が起きた。 見なみさんが長年築いてきた体の使い方。そのしなやかで美しい演技は人々を魅了した。舞台袖に戻ってきた見なみさんは笑顔に満ちていた。 舞台では若い世代の演技が続く。集団での踊りは見なみさんが白鳥バレエで大切にしてきたもの。みんな、思い切り表現していた。 そして、フィナーレで見なみさんが再び登場。全身で表現される15年ぶりの復活の演技は、訪れた観客を魅了した。 公演終了後、舞台では共演者とハグしたり、孫のような世代のメンバーに笑顔で拍手を送ったりする見なみさんの姿があった。中には思わず涙ぐむ出演者もいた。 「75周年のほとんどを作りあげてきた見なみ先生と一緒に舞台に立てて感慨深い」「(見なみさんは)バレエに対して愛のある人。ずっとバレエを愛し続けて75周年。すごいですね」と、共演者がその圧巻のパフォーマンスをたたえた。 娘の五十鈴さんも「本当に幸せでした。母もうれしそうだったし、舞台にかける執念を感じた」と充実した表情を見せた。 そして、見なみさんは「観客の皆さんが感動して『涙が出たよ、うれしかったよ、楽しかったよ』と言ってくださることが私たちのやること。世界のみんなを楽しませるという大きな夢を持って、これからもバレエ芸術に一生懸命頑張ってください」と出演者に語りかけた。みんな、真剣なまなざしで、じっと聞き入っていた。 世界のみんなを楽しませる…。白鳥見なみさんの情熱は、これからも受け継がれていく。 (鹿児島テレビ)
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