ブランド品、腕時計…高額商品の購入を迷っている人が満足する接客術とは?「商品知識」や「メリット」を語るよりも大切にすべきこと【元ルイ・ヴィトン トップ販売員が解説】
〝罪悪感〟をとり除く言葉がけ
購入に対して罪悪感をお持ちのお客様には、〝金額に見合う価値がある〞ということをしっかり言葉にして、寄り添いながらお伝えします。 「決してお安いものではないので、悩みますよね。わかります。私も先日〇〇を購入したのですが、いずれ娘に使ってもらおう、だから私は半額分ってことで……と自分に言い訳しながら買いました(笑)」 「お子さんの代、お孫さんの代まで繋いでいけたら、いいですよね。それほど長くご愛用いただける価値のあるものです」 「自分の中で高いと感じることも、私は大切だと思っています。高いからこそ、大事にしようと思えたり、今日はいいものを身に着けているという自覚があるからこそ、湧いてくる高揚感や幸福感が、自信として立ち振る舞いに表れたりしますよね」 というように。 私が長年勤めてきて思うことは、高額品販売に最も大事な要素は、「あなたから買いたい」と思っていただける〝販売員の人間力〞だということです。高額品を購入いただくため、ついつい商品の説明をひたすら語る自分本位な接客を見かけます。 知識は大事です。でもそれだけで売れるということはありません。高額品だからこそ、むしろあなたという人への信頼が得られていれば、商品知識が足りていなくても売れることは十分にあるのです。 土井 美和 株式会社Clienteling Advisory 代表取締役
土井 美和