兵庫・西脇 廃棄予定の消防服をリメイク 携わった生徒の思い 「誰かを笑顔にできれば」
廃棄予定の消防服を子どもサイズの消防服やイスのカバーにリメイクする取り組みを、兵庫県立西脇高校生活情報科の3年生が行っています。きっかけや今後への思いなどについて、西脇高の藤原容子先生と、生活情報科3年生の竹添那海さん・瀬戸あかりさん・後藤琳さん・長谷川凛花さんに聞きました。 【写真】消防服をリメイク! 完成したようす 地域との連携を大切にしているという、西脇高校生活情報科。地場産業である播州織で服を制作し、ファッションショーを開催したり、端切れでワークショップを行ったりしています。 今回のリメイクのきっかけについて、「昨年度、使わなくなった消防服が廃棄されているという話を聞きました。素材を知って、ものづくりに活かすことができないかと生徒と話していた」というのは、藤原先生。その矢先に、「イベント用に子ども用の消防服や、いすのカバーを作ってほしい」という依頼が北はりま消防組合から入ったといいます。 作業を行うにあたって、生徒たちは、消防服の素材をきちんと知るところからスタート。実験を行い、燃えないかどうかを調べるなど、「今まで経験したことのないようなものづくり」にチャレンジ。 制作時間について、竹添さんは「課題研究(服飾デザイン)の時間も使いながら、放課後も取り組みました。総制作時間は8時間くらいかかったと思います」と明かします。 特に苦戦したポイントは、消防服にある反射板。その部分が分厚くなってミシンの針が折れてしまう危険性があり、縫うのが難しかったとのこと。それでも、普段はペダルでミシンを動かしているのを、手でダイヤルを回して動作させる方法に変更して対処したそうです。 リメイク品のアピールポイントについて、後藤さんは「イスのカバーは、内側に播州織の生地を使用し、外側は『消防』というプリントが見えるようにしたところ。いろんなイスに使用できるように、マジックテープを活用しました」とコメント。「消防服は、3歳~小学生までの多くの子どもたちに着用してもらいたくて、様々なサイズのものを用意しました」。 今回のリメイク品完成を受けて、10月24日、西脇高校の校長室で、生徒たちに北はりま消防組合から感謝状が贈られました。完成品を見たときの消防側の反応について、藤原先生は「驚きつつも、喜んでいただけました」と当日を振り返ります。新たなリメイク品の制作も始まっているようで、「鍋敷きや、キャンプ用品などに作り替えることができないか取り組んでいます」(瀬戸さん) 今後について、「廃棄されてしまっている素材が他にもあると思うので、それらを使って、ものづくりや、新しい取り組みができるのではないかと考えています」と、藤原先生。 竹添さん、瀬戸さん、後藤さんとともにリメイクに携わった長谷川さんは「制作する過程で、生地が固くて思い通りにいかないこともありましたが、完成したものに対して消防の方から良い評価がいただけて良かった。これからイベントも多く開催されるそうなので、自分たちが作ったものを通じて、誰かを笑顔にできたらうれしい」と、思いを述べていました。 (取材・文=長塚花佳) ※ラジオ関西『Clip』水曜日 「トコトン兵庫」より (2024年11月13日放送回)
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