<ラグビー>スコットランドに惜敗。五郎丸抜きの日本の収穫と課題とは?
ジャパンは堀江主将のトライなどで序盤を7-3とリードしながら、自陣接点での反則からペナルティーゴールを決められた。19分、7―9とひっくり返された。30分台にはフランカーのツイ ヘンドリック、フルバックの松田力也が続けて一時退場処分を食らった。この間、10―23と点差を開けられた。 ペナライズの基準はその日のレフェリー次第だが、堀江キャプテンはこう振り返った。 「厳しいかな、とは思ったけど、レフェリーの意見が全て。それに対応しなくてはならない。自陣でこちらのペナルティーが多かった。そこら辺は、修正したい。規律は意識したい」 ラインアウトでは再三、ターンオーバーを奪われた。社会人2年目という若手ロックの小瀧尚弘は、「相手の良くないリフターとジャンパーのいる場所で飛びたかった。ずらしただけでも、対応されてしまう。もっとリフトとジャンプのスピードを意識していきたい」と反省する。 このふたつの点は、W杯イングランド大会時はジャパンの強みだった。 エディー・ジョーンズ前ヘッドコーチが率いた当時のチームは、参加20カ国中最小の反則数を記録。現地専門誌に「最もクリーンなチーム」に選ばれていた。南アフリカ代表戦を担当するジェローム・ガルセスを夏場の合宿地に呼ぶなど、何振り構わぬ仕込みで各レフリーの癖の研究を進めた結果だ。ラインアウトでは、9割超の自軍ボール成功率を誇っていた。元イングランド代表主将のスティーブン・ボースヴィックの指導が効果的だった。 裏を返せば、グラウンド外での支援の質が変わったことであの時の資源が失われたとも取られる。しかし堀江キャプテンは、「いまのラグビーをどうしたらよくできるか、です。エディーさんに引っ張られていたら成長はない」。前体制といまとの比較という視点から脱却し、あくまで自力で課題改善に努める。 攻め込んでのミスがかさんだことについては、誰もが「コミュニケーションミス」を理由に挙げてきた。そもそも堀江、マフィらは13日から合流とされていたなど、選手によって準備期間にばらつきがあった。いわば、想定されていたかもしれぬシステムエラーが起った格好だが、堀江主将は「今週の何が悪かったのかをしっかり反省する」。 立川副将は言っていた。「僕らができるなかではいい準備ができている」。確かな手応えを掴み、25日の第2戦をみすえる。 (文責・向風見也/ラグビーライター)