透湿防水機能でムレ知らず! しっかり理解しておきたい防水&撥水機能とその基準とは
アウトドアを楽しむには、天気に左右されないアウトドアギアが欠かせません。なかでも特に重要になるのが、防水・撥水の機能。しかし、この2つの機能はそれぞれ異なる特性を持っています。今回は、防水と撥水の基準について詳しく見ていきましょう。 【写真】防水と撥水、透湿防水の違いをチェックする(全5枚)
通気性が良い「撥水加工」
撥水とは「水をはじく」機能のこと。撥水はあくまで表面的な防護なので、使用や洗濯を繰り返すと、コーティングが落ちて撥水効果が低下してしまいます。また軽い雨なら大丈夫ですが、長時間の雨にさらされたときや強い圧力が加わった場合には、生地内に水が入るのを防ぐことができません。しかし、撥水加工されていても生地には微細な隙間があるため、防水に比べて通気性が良く蒸れにくいというメリットがあります。
長時間の雨でも安心な「防水加工」
防水とは「水を通さない」機能のこと。生地自体が水をブロックしてくれる、または生地の隙間を埋めるように加工されているため、生地内への水の染み出しを防げます。防水加工されていれば、長時間の雨にさらされても安心でしょう。 水対策としては撥水より防水の方が優れていますが、防水素材は空気や湿気も通さないため通気性が悪いというデメリットがあります。そのため湿気が外に逃げにくく、内部が蒸れてしまう原因に。
良いとこどりな技術「透湿防水」
最近浸透してきたのが、「透湿防水」という技術。水は通さず、「気体」の状態の湿気は通すというかなり良いとこどりな技術です。透湿防水なら、雨天でも蒸れずに快適に過ごすことができるでしょう。
防水性能と防塵性能
アウトドアギアだけでなく、スマートフォンやカメラなどの機械製品にも防水性能が求められています。良く聞くのが「IPX」という防水等級。IPXとはIPコードと呼ばれるもので、2003年に国際電気標準会議(IEC)が定めた電気製品の防水性能を表す国際規格です。 IPX1からIPX8までの数字で防水性能が記されており、数字が大きいほど高い防水力を持つことを意味します。例えば、iPhone15は「IPX8」。これは、水面下での使用が可能なレベルの防水性能を持っているということ。 また、防塵性能もIPコードで同時に表されます。防塵等級は1から6まであり、6は完全に粉塵の侵入を防ぐレベル。例えば「IP68」なら、防塵性能が最高レベルの6であり、防水性能も最高レベルの8であることを意味しています。 これらの知識を活用して、自分に最適なアウトドアギアを選び、自然の中での時間を存分に楽しんでくださいね。
野中陽平