筧千佐子死刑囚が死亡 青酸連続殺人事件で夫や内縁関係の男性3人を殺害、無罪を主張
近畿3府県で夫や内縁関係にあった男性計4人に青酸化合物を飲ませ、うち3人を殺害したとして殺人と強盗殺人未遂罪に問われ、死刑が確定した筧千佐子死刑囚(78)が死亡したことが26日、関係者への取材で分かった。 【画像】筧千佐子死刑囚が殺害した3人の男性ら 確定判決によると、筧死刑囚は遺産取得や債務の返済を免れるため平成19~25年、青酸化合物を飲ませて夫や内縁関係にあった男性3人を殺害し、別の知人男性を殺害しようとした。 裁判で弁護側は全事件での無罪を主張した上で、認知症の症状が進行して訴訟能力を欠き、犯行時も責任能力がなかったとも訴えた。 一方、1審京都地裁は平成29年11月、状況証拠を重ねて筧死刑囚が青酸化合物を所持していたなどとする検察側の立証を全面的に認定し、死刑を言い渡した。令和元年5月に大阪高裁が弁護側の控訴を棄却、最高裁も3年6月に上告を棄却して翌月に死刑が確定していた。 その後も筧死刑囚側は4年9月に再審請求を申し立てたが、京都地裁が今年3月に請求を棄却していた。 事件を巡っては、平成25年12月、筧死刑囚の夫が京都府内の自宅で死亡し、遺体から青酸化合物が検出されたことを発端に、結婚・交際した多数の男性が死亡していることが判明した。大阪、京都、兵庫、奈良の4府県警合同捜査本部が捜査。殺人罪3件と強盗殺人未遂罪1件で起訴され、ほかの男性4人に対する殺人や強盗殺人容疑でも追送検されたが、これらは不起訴処分になった。