「えっ?電話に出るの?」インバウンド外国人客の映画館でのマナーに困惑の声が続々 終始雑談、席はゴミだらけ…国によって異なる鑑賞スタイルも影響か
集団で盛り上がる人たち
Tさん(50代/男性)が新宿の映画館で居合わせたのは、外国人客の集団だ。「比較的空いている夜の回に行ったのですが、とても落ち着いて鑑賞できる雰囲気じゃなく……」とTさんは振り返る。 「自分は後ろから2列目の座席をとっていたのですが、最後列に6人組の若い男女グループがやってきて座りました。韓国語で会話していたので、韓国人グループだったと思います。 本編が始まる前、予告編の段階でもまだ男性の何人かが普通に喋っていて、女性が『シー』みたいな感じでたしなめていました。前方の席の人が振り向いて、眉をひそめていましたね。それだけならまだしも、上映が始まってからも小さな話し声が延々続いていました」 地味なストレスを抱えながらスクリーンを見ていたTさんのイライラが爆発しそうになったのは、頭の横に伸びてきた「足」だった。 「そのうち、ひとりが靴を脱いで、空席になっている私の隣の椅子に足を上げたのです。本気で注意したくなりましたが、上映中に声を上げるのも嫌で……。そんなストレスを抱えながら観ていたのですが、映画が中盤に差し掛かったあたりで、その集団全員がぞろぞろと退出していきました。上映終了後にその席をみたら、スナック類を食べ散らかしたゴミもそのままになっていて、終始気分が悪かったです」(Tさん)
海外ではこんなことが「当たり前」
一方、国が変われば文化も変わる。Yさん(20代/女性)は、留学先のハワイで映画館に行った際、鑑賞スタイルの違いに驚いたという。 「まず、日本ではおなじみの“鑑賞マナームービー”が流れなかったのに驚きました。どうもハワイでは、鑑賞中の笑い声や歓声は、ある程度大丈夫のようです。日本でいう“応援上映”のような雰囲気といいますか」 Yさんは、ハワイでの思い出として「映画館は恋人同士がイチャイチャする場所でもあった」ことを明かすが、同様の体験を述懐するのは、Mさん(30代/女性)だ。 「フィリピンで映画を見に行ったら、“ワーオ!”みたいに、映画の内容に反応する声は当たり前だし、暗闇の中で露骨にラブラブなカップルがいるのも驚きでした。現地の子に話を聞いたら、そのほうが同じエンタメを共有している感じがして楽しいとのこと。むしろシーンとしてるほうが考えにくいそうです」
時代の変化に伴い「鑑賞マナームービー」もリニューアル
大手シネコン・TOHOシネマズでは今年、本編上映前の鑑賞マナームービーを約10年ぶりにリニューアルした。これまで通り英語の音声でも注意事項が流れるうえ、字幕には日本語・英語に加えて中国語が採用された。 映像制作に携わったFRONTAGEの公式ホームページによると、「パーソナルデバイスの変化やインバウンド等、時代の変化により、求められる劇場マナーにも変化があり、今回、全面リニューアルする運びに」とのこと。 ところ変われば、映画の鑑賞方法も変わるもののようだが、最低限のマナーは守りたいものだ。