猪爪花江を演じる森田望智「トラちゃんとのけんかは夫婦げんか」――「虎に翼」インタビュー
――第15週でも、「スンッ」とする場面が多かったと思いますが、どう演じられてましたか? 森田さんの中で「スンッ」のレパートリーがあったりするんでしょうか。 「このドラマの『スンッ』はいろんな種類があって。自分の気持ちを抑えていることだけが共通点で、本当にさまざまな何パターンもの『スンッ』があって。花江ちゃん本人は気付いていない『スンッ』もあるので、あまり『スンッ』とすることは考えてなくって。必然的にところどころで『スンッ』っていう見え方をしてしまうっていうことなのかなと思っています」 ――第50回の放送では、突然の優未(斎藤羽結)のくしゃみに視聴者からは「癒やされる」と反響がありましたよね。撮影中のハプニングがそのまま生かされたんでしょうか? 「流れの中で自然に出たもので、特に慌てたり、驚いたりすることもなくて。『大丈夫? 風邪かな?』ぐらいで、いつもの前室での雰囲気がそのまま続いたような感じでした。優未ちゃんはすごく天使なので、みんながかわいいと思っている気持ちがそのまま映像に乗ったんだと思います」
――ハプニングやアドリブで印象に残っていることはありますか? 「猪爪家劇場は、トラちゃんがナレーションをしてくれて音声は使われないので、みんな好き勝手にやっていて。(猪爪直言役の)岡部たかしさんがいつも面白かったんですけど、『毒まんじゅう事件』の再現の時に、『おまんじゅうのいい香りが鼻から抜けて~』と言いながら死んでしまうお芝居をしていました。実際の放送では音声はオフになっているんですけど、面白過ぎて、みんな笑いが止まらなくなってしまって(笑)。ほかにも、はるさんが『色っぽいほくろをつけたい』と提案して、みんなでほくろをつけたり(笑)。猪爪家劇場を良いものにしたいという思いで、全力で楽しく遊んでいました」 ――寅子は新潟での生活が始まり、しばらくの間花江たち家族は東京でお留守番ですが、今後の見どころを教えてください! 「花江ちゃんの見どころは、新潟でもトラちゃんの背中を押すシーンがあるんです。花江ちゃんは、意図せずに家族の大事な局面で背中を押すことがこれまでもたくさんあったのですが、新潟でもあって。家族に対して愛情が強い花江ちゃんらしいなと思うすごくいいシーンです。トラちゃんが新潟から帰ってきてからも、ちょっともめるのですが、それは『現代の問題が、この時代にも地続きであるんだな』と思えるようなシーンで、お互いを思うあまりに衝突をしてしまうのですが、そこも見どころです」 ――最後に視聴者に向けてメッセージをお願いします。 「女性の社会進出の話ではありますが、(戸塚純貴演じる)轟(太一)さん、(岩田剛典演じる)花岡さん、(松山ケンイチ演じる)桂場(等一郎)さんなど男性陣も含めて、登場人物みんなの気持ちに共感できる作品です。私は、そんなキャラクターたちがぶつかったり、仲良くなったりする群像劇だと思っているので、みんなを好きになってもらいたいです。法律についても、コメディーも交えながらでとっても分かりやすいので、楽しく見てもらえたらうれしいです」 ――ありがとうございました!
【番組情報】
連続テレビ小説「虎に翼」 NHK総合 月~土曜 午前8:00~8:15ほか ※土曜は1週間の振り返り NHK BS・NHK BSプレミアム4K 月~金曜 午前7:30~7:45ほか
文/NHK担当