“生意気だったユイ”が求める理想の集団とは? なでしこ長谷川唯が明かしたブラジル戦号泣の真相「もう一回、パリで同じこと起きちゃうよ」
マンチェスター・シティで充実の時間を過ごす長谷川唯(27歳)。2季連続で惜しくもリーグ制覇を逃したが、各々の現地メディアが発表する「ベストイレブン」には多く名を連ねるなど、世界のトッププレイヤーの仲間入りを果たしている。自身のルーツ、そしてメダル獲得が期待されるパリ五輪への思いを明かした。〈全2回の2回目/前編から続く〉 【記事写真】「同じこと起きちゃうよ」号泣シーンはこちら…/まだ“生意気”だった長谷川唯16歳ベレーザ時代、超カワイイ10年前のU-17W杯も見る「今もコンビ組む長野風花と…」 1997年生まれの長谷川唯は、2009年に中学入学と同時に日テレ・ベレーザの下部組織である日テレ・メニーナに入団。自宅のあった埼玉県戸田市から東京都稲城市の練習場まで毎日通っていた。 当時、身長は135センチに届かず、体重も28キロほどだったが、先輩たちとの練習で倒されないよう工夫する中で、ポジショニングやボールスキルを身につけていった。4年後の2013年には飛び級でなでしこリーグの試合に出場。リーグ3連覇やベストイレブン受賞などを経て、2021年1月にセリエAのACミランに移籍した。英国スーパーリーグのウェストハムを経て、2022/23シーズンからマンチェスター・シティでプレーする。 日本代表には20歳だった2017年から選出されており、すでにW杯2回、五輪1回を経験している。 そんな経験豊富な長谷川の意外な姿を見たのが、4月にアメリカで行われたSheBelieves Cupでのワンシーンだった。
ブラジル戦で流した涙の理由
パリ五輪への試金石となる同大会だったが、宿敵アメリカに1-2、ブラジルには1-1の末にPK戦で敗れ、まさかの連敗。特にブラジル戦のPK戦は、長谷川だけでなく蹴った日本人3選手が外すという、珍しい展開となった。 試合後、ピッチに座り込んで涙する長谷川の姿があった。この大会は公式戦ではなく、課題を炙り出すことができればいい。だからこそ、悔しさを隠さなかった長谷川の姿に少し驚かされた。 「あの試合、PKはもちろん蹴った人たちにも責任はあって、自分自身は決めなきゃいけなかったのもありますけど、それより試合の中で勝てなかったので。もしこれで勝てなかったら、この試合勝てなかったらどこにも勝てないなってすごい感じて……絶対に負ける試合でもなかったですし、むしろ絶対勝たなきゃいけないような内容でもあった。本当にフラストレーションがたまる試合ではありましたね」 さらに涙の理由を続ける。 「勝てる試合で勝てなかったっていうのもそうですけど、チーム全体としての物足りなさっていうのはすごい感じていて。気持ちの持ち方が、みんな同じなのかって言われたらやっぱり違ったなと。ブラジルはオリンピックのグループリーグでも対戦が決まってるのに、これもう一回、同じことが起きちゃうよって思いました。……本当に簡単に言えば気持ちの部分ですけど、気持ちを出したプレーっていうのも、しなきゃいけないと思いました」
【関連記事】
- 【記事写真】「同じこと起きちゃうよ」号泣シーンはこちら…/まだ“生意気”だった長谷川唯16歳ベレーザ時代、超カワイイ10年前のU-17W杯も見る「今もコンビ組む長野風花と…」
- 【あわせて読む/前編から】「ユイ!ユイ!」なでしこ長谷川唯はなぜ英国で愛される? “世界一の環境”マンチェスター生活「名前呼ばれるの嬉しい」「背が小さくてよかった」
- 【必読】“なでしこ”を背負った天才・岩渕真奈30歳で引退「ちょうどいい時代に生まれた」なぜスパッと決断できたのか…痛感した“時代の変化”
- 【華麗なる転身】28歳で現役引退→看護師へ…なでしこトップ選手が“生死に関わる仕事”を選んだ理由「サッカー選手だったことを知る人はほとんどいない」
- 【秘話】32時間の難産、骨折も…元なでしこ岩清水梓が明かした壮絶な“復帰”までの道「自分で産んだ子ですもん、一緒に入場したい」