“生意気だったユイ”が求める理想の集団とは? なでしこ長谷川唯が明かしたブラジル戦号泣の真相「もう一回、パリで同じこと起きちゃうよ」
過去の栄光と「比べる必要はない」
オリンピックとなると、どうしても2012年ロンドン大会の銀メダルとその前年のW杯優勝を見る側は思い出してしまう。過去との比較は重圧にはならないだろうか。 「以前のオリンピックやワールドカップと比べるっていうのは、個人としては正直必要ないのかなっていうのがあります。 2011年のチーム(ロンドン五輪チームとほぼ同じ)は本当にすごいなと思いますけど、あのチームはあのチームの良さがあって、あの時代のサッカーがあって。でも、世界的に女子サッカーも変わっている中で比べられても困るし、自分たちも比べる必要はないと思ってはいますね。何を言われても別に関係ないっていう感覚で、別に言いたい人は言えばいいでしょっていう(笑)。 もちろん、それを目標にすることは大事ですし、例えば気持ちの部分だったり、あの時代の選手たちのサッカーに対する本気度を比べるのはわかりますけど、サッカー自体を見たらもしかしたら、今の方が強いかもしれない。それは誰にもわかんないですしね」 一方で長谷川は「もちろん去年のワールドカップと今のチームは同じようなチームで、監督も代わってないので成長を比べるのは大切」と言う。池田太監督が率いるなでしこジャパンとしては、昨年W杯を戦いベスト8に進出、チームは一定の成果を出してはいるが長谷川は彼女らしい課題も感じている。 「サッカーとしては日本も進歩しています。でも、世界のサッカーの発展と比べたら足りないなとは個人的に思っているので。それは個の能力が足りないのではなくて、やっぱりまだまだ考えてサッカーをやる選手が足りないということかなと。日本人はフィジカルでどうしても勝てないシーンがある中で、それじゃ(もっと考えないと)足りないよって思うことがあるんです。 日本人の選手でもフィジカルに優れた選手が出てきたり、昔では考えられないような感覚でサッカーをやってる選手も多分いて、良い意味で日本人らしくない選手が出てきたとは思う。その中で日本人の良さをしっかり受け継ぎながら、新しい選手が出てきたらいいなと思うんですよね」 例外的な選手は出てきたものの、大半の選手は個の能力やフィジカルが勝てない分、パスをつなぐだけでなくて頭を使おう、ポゼッション・守備の連動・連携を武器にひたむきに戦う従来のなでしこジャパンの良さに考える力をもっと、と長谷川は訴える。 小さな頃から今に至るまで小柄で、今現在プレーするのは女子サッカーの最先端WSL。常に考えることを強いられてきた長谷川だからこそ思うことだろう。 そんな話をしつつも、“気持ち”の大切さに話は再び流れていく。
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