「責任問題になったとしても」 アジア杯敗退で森保監督が吐露…心中とV字回復の軌跡【コラム】
2024年の日本代表を、森保監督の言葉から紐解く
2024年の日本代表の出来はどうだったのか。何ができて何ができなかったのか。印象が強いのは2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終(3次)予選で無敗だったことではないだろうか。そのため総じて順調だった年だったと記憶されているだろう。だが指揮官はそう思っていなかったかもしれない。公式会見の場ではない囲み取材の中で森保監督が語った台詞から、2024年のリアルを振り返っておく。 【一覧リスト】森保ジャパンが「世界13位」 “ドイツ超え”最新ランキング「言葉を失った」 11月23日、日本代表が今年のすべての試合を終わった後の天皇杯決勝、ガンバ大阪とヴィッセル神戸の一戦を視察した森保一監督は、試合後に何気ない会話の中でそう匂わせた。報道陣が今年の日本代表を振り返り、準々決勝のイラン戦で敗退した年頭のアジアカップ(カタール開催)について「あの時はどうなるかと思いました」と話したときのこと。 森保監督は一瞬考え込み、「そうですか。まあまあ、そこはみなさんがそう思っていただいていいです」と語るとこう続けたのだ。 「私自身、いろんなアジア杯を通してトライをしている中で、悔しい思いをしましたが、すべて1戦1戦、勝っても負けても次につながるものだと思ってやってきました。同時に、アジアカップで責任問題になったとしても、日本の未来につながることを、今できることをやっていこうという気持ちでやってきたので、結果が出ても出なくてもあまり気持ちは変わっていません。 いつも言っている代表の勝利のため、そして日本サッカー発展のために、ということで1戦1戦戦ってきて、今年は代表の試合もなくなった(終わった)のですけど、来年も続くということで、気持ちとしては全く変わらずという感じです」 もしもアジア杯の敗退を受けて退任することになったとしても、それを受け入れていたという内容だった。監督はそういう覚悟を持っていたのだろう。もっともアジア杯については、監督の采配より、ヨーロッパがシーズン中ということもあり選手のコンディションが肉体的にも精神的にも整わなかったのが敗因と言っていいだろう。