男児水路転落死訴訟で広島県福山市と両親が和解へ 過失認め解決金4700万円
広島県福山市緑町の緑町公園そばの水路で2022年11月、4歳男児が転落して死亡した事故で、水路を管理する市の安全対策が不十分だったとして男児の両親が市に8565万円の損害賠償を求めた訴訟が、広島地裁福山支部で和解する見通しであることが18日、分かった。市が過失を認め、両親に解決金4700万円を支払う。 【写真と地図】転落事故が起きた現場 事故は22年11月2日に発生。訴状などによると、公園で遊んでいた男児が園内の遊歩道沿いにある水深1・4メートルの水路に転落した。両親側は事故当時、遊歩道と水路との間には隙間のある植え込みしかなく「市は子どもが水路に立ち入らないための措置を一切取らず、安全対策を怠っていた」などと訴え、23年5月に提訴した。 市側は同年6月の第1回口頭弁論で請求棄却を求め、準備書面で「水路付近は子どもだけが遊ぶことは想定されていない」などと両親側の主張に反論。その後は非公開で争点などを整理する弁論準備手続きが続いていた。複数の関係者によると、同支部から和解勧告があったという。 市は事故後、男児が転落した水路に転落防止柵と脱出・救助用のはしごを設置。有識者たちでつくる対策検討会を設け、危険な水路を抽出して柵やはしご、多言語での注意看板の整備も進めている。
中国新聞社