【インタビュー】Netflixリアリティ番組『イカゲーム: ザ・チャレンジ』の制作陣が批判に反論
2021年に世界を席巻したドラマ『イカゲーム』。同作をベースにしたNetflixリアリティ番組『イカゲーム: ザ・チャレンジ』(11月22日より配信開始)は制作発表当初から、数々の批判を浴びてきた。「ザ・チャレンジ」の内容は、456人のプレーヤーが子供の遊びで競い合い、賞金456万ドルを目指すというものだ。 米『ハリウッド・リポーター』(THR)のレビューでは、「“ザ・チャレンジ”は、『イカゲーム』の表面的な部分だけをすくい、最も重要な部分は捨てている」と評された。 米THRは「ザ・チャレンジ」のエグゼクティブプロデューサー、スティーヴン・ランバート、ティム・ハーコート、ジョン・ヘイにインタビューを敢行。参加者が過酷な状況に置かれたという報道や、大規模で複雑なプロダクションをいかにしてやり遂げたか、などについて詳細に語った。
制作全体を通して、一番大変だったところは?
ランバート: テレビの慣例では数人に焦点を絞る必要があるけれど、この番組では次のゲームで脱落する可能性があるから、そう簡単ではない。 なので、参加者の性格をテンポよく明らかにし、彼らへのインタビューのクオリティを高めることが肝になりました。 参加者が本番前の服装で、セラピーのように自分の人生について語るインタビューはリアリティ番組としては珍しいです。よって、視聴者はプレーヤーのことを理解し、感情移入できるのだと思います。
ドラマは反資本主義的な物語です。Netflixがリアリティ番組の制作発表した時、「それは的外れではないか?」という声が上がりました。それに対してどう答えますか?
ハーコート: 私は、ドラマ『イカゲーム』の論点が1つしかないという考え方に異議を唱えています。資本主義批判は重要な要素の1つですが、同作は私たちが子供の頃からゲームを通じて、いかに超競争的であるように植えつけられているかについての批評でもあるのです。また、プレッシャーの中で人がどう行動するかということでもあり、それがリアリティ番組の面白さでもあります。 さらにドラマは、大金を勝ち取るために人々が絶望的な状況をはねのける様を描いていました。「ザ・チャレンジ」は困窮している者たちの物語ではなく、チャンスを与えられた者たちの物語。人々がリアリティ番組で生かされていないと考える(オリジナルドラマの)要素が1つあるのは確かですが、それはドラマ『イカゲーム』のごく一部に過ぎないでしょう。