【旧統一教会・生長の家・霊友会・立正佼成会ほか】宗教は政治といかに関わってきたのか【2024年最新版】
「政治と宗教と野球の話はするな」との俗言もあるが、私たちは宗教のことをどれだけ知っているのだろうか。知らなければ語ることもできない。伝統仏教からスピリチュアルまで令和の現状を追う。 【一覧】これが日本の7大新宗教だ! 一般に思われているよりも政治に大きな影響を与えてきた「信仰」の代表格、「創価学会」について前編『創価学会=公明党と自民党の関係に異変?「信仰」と政治の「秘められた関係」』では詳細に解説した。
旧統一教会と保守派の関係
一方、自民党と長年にわたって「蜜月関係」を維持してきたが、現在、宗教法人として解体の危機に瀕しているのが旧統一教会(世界平和統一家庭連合)だ。 母親が巨額の献金をしたことから旧統一教会に恨みを抱いた山上徹也被告が、安倍晋三元総理を銃殺したのが'22年7月のこと。安倍元総理が旧統一教会系団体のイベントにビデオメッセージを寄せたことから、旧統一教会とつながりがあると考えた末の凶行だった。 '54年に韓国で文鮮明氏によって設立された旧統一教会は、日本進出の時点から保守政治家と関係を結んできた。 『統一教会』の著書もある北海道大学教授の櫻井義秀氏が言う。 「旧統一教会が日本で宗教法人として認証されたのが'64年。当時の日本は学生運動や労働運動で左派勢力が強く、一方の旧統一教会は『国際勝共連合』を作り、反共産主義を掲げていた。そこで岸信介元総理ら保守勢力は、左派勢力に対抗するために旧統一教会と協力関係を築きました。 ところが、'80年代後半から合同結婚式や霊感商法が社会問題視されるようになり、'89年には東西冷戦が終結して共産主義勢力の脅威が低減した結果、旧統一教会と自民党の関係性は弱くなっていた。亀裂が決定的となったのは、'91年に文鮮明氏が北朝鮮を訪問し、当時の金日成主席と握手をしたことです。これまでの反共主義とはなんだったのかと、国際勝共連合は一気にトーンダウンしてしまいました」 しかし、旧統一教会は'13年の参院選を機に、再び自民党に近づいていく。教団と自民党に詳しいジャーナリストの鈴木エイト氏が言う。 「'13年の参院選から旧統一教会による自民党候補への支援が活発化しました。当時は参議院で与党が半数を下回る『ねじれ国会』が続いていましたし、安倍氏は旧統一教会の支援も受けて一人でも多くの自民党議員を当選させたかったのでしょう。一方の旧統一教会側は、教団の体制保護のために安倍氏に近づいたのだと思います。 旧統一教会の持つ票数は当時で8万票ほど。安倍氏は選挙で協力してくれるならと、軽い気持ちで付き合っていたはず。安倍氏以外の議員にしても、選挙協力は受けても、政策的な影響は受けていないという認識だったと思います。安倍氏の銃撃事件が起きて、旧統一教会に注目が集まり、慌ててトカゲの尻尾切りをしたということです」