編集者、管理栄養士、保健師…ダウン症の子を育てる親たちが目指す「壁のない社会」
ほどなくして看護学部を新設した大学の任期付き教員募集を知り、転機を迎えた。それまでの経験から、保育園やデイサービスなどに医療的ケアができる看護師がいれば受け入れが広がるといったことを学生たちに伝えたいと強く思い、手を挙げた。
「色々な子供たちが地域にいて、看護師を必要としている」。実習などで実体験を交えながら現状を伝え、一部の学生にはダウン症児らが参加する県内のウォークイベントにも携わってもらった。
現在は行政の立場から、若年性認知症や難病などを担当し、当事者、家族の声を地域作りに生かす役割を担う。「当事者たちは一人一人がパイオニア(先駆者)。その声が社会、地域の在り方を変えるきっかけになる」と話す。(高久清史)