eスポーツの名門、SENTINELS・TenZが明かす“プロ引退後の目標” 日本のファンに向けたメッセージ動画も
ライアット・ゲームズが開発するFPSゲーム『VALORANT』。毎年大規模な国際大会が開催されるなど競技性の高いゲームで、Z世代を中心に高い支持を集める人気のeスポーツタイトルだ。 【動画】日本のファンに向けたTenZからのメッセージ そんな『VALORANT』の競技シーンで活躍する、名門・SENTINELS(センチネルズ)。北米・ロサンゼルスに拠点を置くeスポーツチームで、2024年にスペイン・マドリードで開催された『VCT 2024: Masters Madrid』では優勝も果たした名門だ。 この名門チームのメンバーとして二度の国際大会優勝を経験したプロ選手・TenZ(テンズ)が、ことし9月に引退を発表した。今回、リアルサウンドテックでは取材で訪れた『Twitch Con』で、選手活動の振り返りや今後の活動についてインタビューする機会を得た。 イベント出演で何度も日本を訪れていたり、TenZのパートナーであるTwitch配信者・Kyaedeが日本にルーツを持っていたりと、何かと日本に縁のあるTenZ。日本の『VALORANT』シーンで注目する選手や、「日本に住んでみたい」という将来的な野望も明かしてくれた(編集部)。 ■「いつか日本に住んでみたい」 レジェンドプレイヤーは“大の日本好き” ――TenZ選手はつい先日、競技シーンの引退を発表されました。振り返ってみて、ご自身のキャリアをどのように評価していますか? TenZ:自分の中ではかなり良いキャリアを送れたと感じていて、振り返っても誇りに思えるものだよ。もともと、選手を引退するときには「輝かしい歴史」みたいなものを残しておきたいと考えていたし、誰かの記憶にポジティブな形で残るプレイヤーでありたかったんだ。 ――特に記憶に残っている瞬間は? TenZ:どれも特別だけれど、特に『VCT 2024: Masters Madrid』での優勝は思い出深いね。沢山の観客が見ている前で優勝できたし、雰囲気もとても素晴らしくて、みんなのエネルギーが伝わってきて本当に嬉しかった。間違いなく、僕のeスポーツキャリアの中で一番の、大切な出来事だね。 (※編注:Sentinelsが公式の国際大会で優勝するのは二度目だが、一度目の『VCT 2021: Stage 2 Masters - Reykjavík』は無観客開催だった) ――TenZ選手に同じく、日本でもLaz選手が引退を発表して話題になっていました。「世代交代」を感じている人も多そうですが、その点についてはどう感じていますか? TenZ:そうだね、これからどんどん新しい世代の選手たちが活躍していくのは間違いないと思う。でも、僕自身はそれを楽しみにしているよ。 Lazも僕も『Counter-Strike』出身で、『VALORANT』への移行組だけど、今後はきっと生粋のVALORANTプレイヤーが増えていくだろうから、そういう選手たちが活躍するところを見たい。今後のシーンがどうなっていくか、楽しみだね。 ――TenZ選手といえば、『Masters TOKYO』や『RAGE VALORANT 2023』など、日本の大会やイベントでお姿を拝見する機会も多かったですね。また日本を訪れる予定はありますか? TenZ:もちろん! 日本に行く機会があるなら、すぐにでも行きたいくらいだよ(笑)。日本は今まで訪れた国の中で一番好きな国だし、チャンスがあれば、いつか住んでみたいと思っている国でもあるんだよね。じつはいま日本語の勉強もしているんだけど、選手時代よりも集中して学べてるよ。これは引退して時間ができたおかげだね。 どうしても選手としてプレイしているときは他の言語を勉強するのって大変だから……そう考えると、海外のチームに加入して活動する選手はすごいよね。 ■日本で注目する選手は“MACHINE”の異名も持つあの選手 ――日本で親しい選手や注目している選手はいますか? TenZ:すごく親しい、というと難しいね。どうしてもイベントで来日しただけだと日本のプレイヤーとゆっくり交流することができなくて。でも、それでもイベントで一緒に出演した選手たちとおしゃべりをしたり、一緒にプレイしたりするのはすごく楽しかったね。みんな個性豊かだし、すごく良い経験だったよ。 ああ、そうだ。印象的な選手でいえば、GON(FENNEL)選手は僕のお気に入りだよ! みんなから「GON MACHINE」って言われていたよね(笑)。一緒にプレイしていて楽しかったし、すごく良いよね。彼は僕と似ている部分があって、プロ選手なんだけれど、ストリーマー的な振る舞いもできる。そういう才能を持った選手という意味で、親近感を感じているよ。 ――TenZ選手とKyaedeさんは、日本にも沢山のファンがいますよね。何かファンミーティング的なイベントを開催する予定はありますか? TenZ:やれるならぜひやりたいね! 時間も出来たし、日本だけじゃなく、他の国も含めて色んな場所で検討したいと思ってる。個人的にも大好きな国だから、日本は絶対やると思う。そういうファンミーティングも含めて、今後はいろんなことに挑戦できるだろうから、今後の生活は楽しみがたくさん増えたよ。 ――コンテンツクリエイターとして、今後どんなスタイルで活動していこうと思っていますか? また新たに挑戦したいことがあれば教えてください。 TenZ:選手としては引退するけれど、『VALORANT』はもちろん大好きなゲームだから今後もメインのゲームとしてプレイしていくと思う。でも、色んなことに挑戦していきたいね。ゲームジャンルでいうと、ホラーゲーム配信をたまにやるんだけど、リスナーからも好評だからもう少し頻度を増やしてもいいかなって思ってる(笑)。 それから、増えたリソースを使って大きな企画にも挑戦していきたいね。以前から計画してあたためていた企画もあるから、それも楽しみにしてて!
三沢光汰