ホンダ・フィット ハイブリッドが3代目で初登場、シンプルで高効率なシステムが話題に【10年ひと昔の新車】
もはやハイブリッドであることを強調する時代は終わった?
1.3Lエンジン+電気モーターによる走りは、出足の良さがとくに印象的だ。モーターアシストによってトルクがぐいっと押し上げられ、アクセルペダルを軽く踏んだだけで前に押し出されるように加速していく。1.3Lモデルとは明らかに異なる。深く踏み込む必要がないのでエンジン回転が抑えられ、とても静かなのも特徴だ。 ホンダのIMAはエンジンを動力源とし、モーターは補助動力のためハイブリッドであることを強く意識させることはなく、静かでトルクフルなエンジンという感じだ。回生ブレーキもそれほど強くはなく、ごく自然な感じで、通常のブレーキの感覚で運転することができる。また、内外装もとくにハイブリッドらしいと言えるものではない。 このあたり、もはやハイブリッドであることを強調する時代は終わったということだろうか。ハイブリッドらしい演出よりも実性能が重要。そう考えると、コンパクトカーとしての資質に加え、ハイブリッドという付加性能を加えられた、このモデルの実力は相当に高い。 ハイブリッドが万能だというつもりはないが、この性能が159万円から手に入るのはやはり凄いと思う。このトルクフルで快適な走りが、この価格で手に入るのならば、ハイブリッドを敬遠する理由はなにもない。 「ハイブリッドに乗っているという実感がもっと欲しい」という人はインサイトを選べばいい。しかし、居住性や使い勝手、実用性など、むしろインサイトより優っているのが、フィットハイブリッドだろう。(文:Motor Magazine編集部 松本雅弘/写真:井上雅行)
ホンダ フィット ハイブリッド ナビプレミアムセレクション 主要諸元
●全長×全幅×全高:3900×1695×1525mm ●ホイールベース:2500mm ●車両重量:1130kg ●エンジン:直4SOHC+モーター ●排気量:1339cc ●最高出力:65kW(88ps)/5800rpm ●最大トルク:121Nm(12.3kgm)/4500rpm ●モーター出力=10kW(14ps)/1500rpm ●モータートルク=78Nm(8.0kgm)/1000rpm ●トランスミッション:7速CVT ●駆動方式:FF ●タイヤサイズ:175/65R15 ●車両価格:210万円(2010年当時)
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