顧立雄国防部長（資料）

（台北中央社）中国人民解放軍が14日に台湾を取り囲む形で実施した軍事演習「連合利剣2024B」に関し、顧立雄（こりつゆう）国防部長（国防相）は23日の立法院（国会）外交・国防委員会で、中国共産党が台湾に対して国際法上の封鎖行為を実施した場合、国軍は「応急作戦段階」に入ると述べた。 国防部（国防省）によれば、14日午前5時から15日午前6時までに台湾海峡周辺で確認された中国の軍用機は1日当たりとして過去最多の延べ153機、軍艦は延べ14隻に上った。 国防部は戦備の段階を「経常戦備段階」と「応急戦備段階」の二つに分けている。経常戦備段階は通常時または災害支援時に当たり、戦争発生時や発生間近、緊急危機の状況かつ局地的または全面的に台湾に侵攻する異常の兆候や行動があった場合が応急戦備段階に該当する。 与党・民進党の羅美玲立法委員（国会議員）は中国の軍事演習に関連し、中国が長期的に台湾を封鎖した場合の国防部の対応について質問した。顧氏は、人民解放軍が今回の演習で台湾の要港などを「封鎖する」と説明していたことに触れた上で、実際には詳細な経度と緯度を設定せず、航行禁止区域も公表しなかったことから、訓練的な性質のものだったと指摘。いわゆる真の「封鎖」とは、国際法の定義上では、敵国が管轄する港、空港、海岸線に全ての国家の飛行機や艦船が入ることを阻止する交戦行動であり、通常は軍が主導すると説明した。また、国連総会第3314号決議により、封鎖は一種の侵略行為と見なされ、戦争行為に当たるとした。 （呉書緯、游凱翔／編集：名切千絵）