マスク氏の高額報酬案、米州裁が取り消し命令維持 テスラは控訴方針
Tom Hals Jonathan Stempel [ウィルミントン(米デラウェア州) 2日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の報酬が高過ぎるかどうかを巡って争われた訴訟で、デラウェア州衡平法裁判所のキャサリーン・マコーミック裁判官は2日、総額560億ドルのマスク氏の報酬案の取り消しを命じた1月の判断を維持する判決を言い渡した。 原告は一部の株主で、2018年の株主総会で承認された報酬案を問題視し、提訴していた。今年1月の判決後、テスラは6月の株主投票で報酬案が再承認されたとして支払いの正当性を主張する書面を裁判所に提出した。 マコーミック裁判官はこの日の判決で「敗訴した当事者が新事実を作り出して判決を修正することを裁判所が容認すれば、訴訟は永遠に終わらなくなる」と述べた。 また判決は、テスラが株主投票の委任状で複数の重大な虚偽の記述をしたと指摘し、再投票結果は正当化できないと判示した。 テスラはXで「判決は間違っている。控訴する」と述べ、裁判官が圧倒的多数の株主の判断を覆したと指摘した。 現時点でマスク氏のコメントは得られていない。マスク氏は、1月の判決後、マコーミック裁判官を非難し、他の企業にテスラに倣って法人登記先をデラウェア州からテキサス州に移すよう呼びかけていた。