破産騒動の船井電機 原田義昭氏、会長就任「知らなかった」 「従業員を守らねば」(上)
──令和3年に衆院議員を辞めて、弁護士活動をしていた。なぜ船井と関わるようになったのか。
「(原田氏が経営する)弁護士事務所には船井の関係者も出入りしている。『なかなか経営がきつい』というから『今どき楽な企業はどこにもねえぞ』といっていたら、8月末に『側面から応援してください』と。困っているのを助けるのは当然だからな。顧問弁護士か会社顧問かと思い、引き受けた」
「『一度現場に来てくれ』というので、9月19日に大阪の本社に行き、15人くらいかな、経営陣と名刺交換した。皆さん、偉い真剣な面持ちだ。財務や労務関係の部長も私に業務報告するような雰囲気だった」
──9月27日の役員会で船井の会長に就任した
「びっくりした。この役員会で前社長が辞めるという話は聞いていたが、自分がどうなるかは知らされていなかった」
──前執行部から「スケープゴート」として経営責任を押し付けられたのではないか
「そう解釈する人もいるが、私はそうは思わない」(聞き手 奥原慎平、鈴木文也)